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DIクイズ1(A)
DIクイズ1(A) 食塩が含まれる胃薬とは
日経DI2012年8月号

2012/08/10

日経ドラッグインフォメーション 2012年8月号 No.178

出題と解答 : 鈴木 光
(株式会社南山堂[東京都港区])

A1

(1)A:約0.7倍 B:約2.5倍

A2

それぞれ約1.3g

 高血圧の治療において、血圧を上昇させるナトリウム(Na)の摂取を控える「減塩」は、最も効果的な対策の一つである。しかし、日本人の1日当たりの平均食塩摂取量はいまだに10.6gであり、これは日本高血圧学会が治療における推奨量として掲げる1日6g未満に遠く及ばない。減塩の対象とすべきなのは、食塩(NaCl)が含まれている食品に限らない。医薬品に含まれるナトリウムについても留意する必要がある。

 市販の胃腸薬や医療用健胃消化薬などには、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)が比較的多く含まれる薬剤が存在する。こうした薬剤に含まれるナトリウムが、食塩で摂取した場合にどれくらいの量に相当するか(食塩換算量)は、NaClの分子量58.5、NaHCO3の分子量84より、(炭酸水素ナトリウム量[g]×0.7=食塩相当量[g])の式で計算できる。表1と表2は、医療用医薬品や一般用医薬品に含まれる炭酸水素ナトリウム量(1日量)から、食塩換算量を算出した例である。

 Aさんが以前服用していたつくしA・M散3.9g中には1800mgの炭酸水素ナトリウムが含まれている。換算式で計算すると、これはおよそ1.3gの食塩に相当することから、Aさんの高血圧を治療している医師は、ナトリウムの含有量が少ない胃薬を代わりに処方したと考えられる。

 さて、食品に含まれる食塩量については、わが国では食品の栄養成分表示がナトリウム量(単位はmg)で表されている。食品に含まれる食塩量は、Naの原子量23と NaClの分子量58.5から、(ナトリウム量[g]×2.5=食塩相当量[g])の式で計算できる。ナトリウム量520mgに相当する食塩量は1.3gとなる。高血圧など食塩制限が必要な患者に対しては、「栄養成分表示のナトリウム量を2.5倍すると、およその食塩量になる」ことを説明しておくといいだろう。

 また、医療用の漢方薬には芒硝(ボウショウ、硫酸ナトリウム水和物)が含まれているものがある。製剤によっては、インタビューフォームにNaの実測値が示されているので、これを基におおよその食塩換算量が計算できる(表3)。

こんな服薬指導を

イラスト:加賀 たえこ

 食塩には血圧を上げる働きをするナトリウムという物質が入っているのですが、胃薬の中にもそのナトリウムを含むものがあります。以前のお薬に入っていたナトリウムは、食塩に換算すると1.3gにもなります。せっかく食事で塩分を控えていても、お薬にこんなにナトリウムが入っていては台無しですよね。だから、今回、先生はナトリウム含量が少ない他の胃薬に変更されたのだと思いますよ。

 ちなみに、スナック菓子に表示されているナトリウム量というのは、食塩の量ではありません。食塩の量は、表示されているナトリウム量を2.5倍した量になります。計算してみるとスナック菓子にはたくさんの食塩が含まれていることが分かると思いますので、食べ過ぎないように気を付けてくださいね。

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