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薬局なんでも相談室2
相談室2: 人工肛門造設患者の留意点
日経DI2012年8月号

2012/08/10

日経ドラッグインフォメーション 2012年8月号 No.178

 人工肛門とは、大腸癌などで肛門や直腸を切除した後、便を排出するため腹部に造設した排泄口のことで、ストーマとも呼ばれます。

 ストーマには括約筋がなく、便が自然に排泄されていくため、袋状の装具を皮膚に装着して、そこに便をためて管理します。

 装具は数日ごとに新しいものと取り換える必要があります。その取り扱いや交換方法は、造設の手術を行った病院の看護師が患者に説明しています。

 ストーマを造設した患者によく見られるのが、ストーマ周囲の皮膚トラブルです。定期的に装具を交換しているとはいえ、便が皮膚に長期間付着していると、ただれやすくなります。

 ただれに対しては、その原因を考え対処しますが、ストーマケア用に作られたパウダー状の皮膚保護剤を使うことが多いです。軟膏は油分が多く、装具の装着が悪くなるので、安易なステロイド軟膏の使用はお薦めできません。

 また、ストーマが造られている腸の位置によって、便の性状が異なります。一般に、回腸(小腸の末端の方)に造設されたストーマであれば便が水様性になりがちなので、止瀉薬を服用している患者が多いようです。

 薬剤による下痢や便秘の副作用を確認する際は、便の性状の変化を患者や介護者に尋ねるとよいでしょう。

 ストーマの状態や管理は、病院が開設している「ストーマ外来」で、みてもらうことが望ましいと思います。

 ストーマ外来は、皮膚・排泄ケア認定看護師のほか、こうした資格がない看護師も担当しており、261の医療施設で開設されています(2012年6月現在、日本創傷・オストミー・失禁管理学会調べ)。

 手術から長期間経過しているなど、病院に定期的に通院していない場合は、ストーマや周囲の皮膚の異常に気づいていない可能性があります。

 特にストーマは、体重の増減などでその大きさや形が変化するため、状態に合わせた装具を適宜選択する必要があるのです。

 ご相談のケースは、在宅患者ということですが、担当の医師や訪問看護師が、ストーマに詳しいとは限りません。必要があれば、ストーマ外来を定期的に受診しているかを確認し、1年に1回は、ストーマ外来で状態を調べてもらうよう勧めてみてもよいと思います。

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