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トクホの説明書
難消化性デキストリン-(3)
日経DI2012年7月号

2012/07/10

日経ドラッグインフォメーション 2012年7月号 No.177

 早いもので本連載も3年目に入った。難消化性デキストリンを取り上げるのも今回で3度目になる。「おなかの調子を整える」「血糖値が高めの方に適する」に加え、第3の保健の用途として「食事の際に脂肪の吸収を抑える」が許可されたのだ。

 難消化性デキストリンを関与成分とするトクホは、水やお茶はもちろん、スープや味噌汁に至るまで、液体の食品でおよそ商品化されていないものはないと思っていたが、まだあった。コーラだ。「史上初! 特保のコーラ」というキャッチフレーズのコマーシャルは絶大な影響力があったようで、発売後わずか2日で年間販売目標の5割を達成したそうだ。キャッチコピーとは、かくも重要なものだと再認識した次第である。

(1)メッツコーラ(キリンビバレッジTEL0120-595955)1本(480mL)に難消化性デキストリンが5g(食物繊維として)含まれる。1日1本を摂取の目安に。1本158円。
(2)アサヒ 十六茶 プラス(アサヒ飲料TEL0120-328-124)1本(250mL)に難消化性デキストリンが5g(食物繊維として)含まれる。1日1本を摂取の目安に。1本147円。

 図は、ハンバーガー1個とフライドポテト(合計で脂肪49.5gを含む)と共に、3種類((1)プラセボ、(2)難消化性デキストリン5g入り、(3)同10g入り)のノンカロリー柑橘系炭酸飲料のいずれかを摂取させた場合の、血中の中性脂肪(トリグリセリド)の変化を示す。難消化性デキストリンを摂取した群では、中性脂肪の上昇が有意に抑えられた。

図 難消化性デキストリン入り炭酸飲料の摂取による血清トリグリセリド値の変化

健康成人男女13人を対象に、通常の炭酸飲料(プラセボ)または難消化性デキストリンを5gまたは10g含有する飲料350mLを、脂肪49.5gを含む食事と一緒に摂取させ、血清トリグリセリド値の経時変化を調べた。その結果、難消化性デキストリン含有飲料群ではプラセボ群に比べて、上昇が有意に抑えられた(プラセボ群に比べて、*:P<0.05、**:P<0.01)。(Eur J Nutr. 2007;46:133-8.)

 もっとも、1食で50g近くの脂肪を含むというのは、いくら臨床試験とはいえ多過ぎる。トクホが有用性を発揮するためには、適正な食事が前提となることを、改めて強調しておきたい。

 「食後の中性脂肪が気になる方に適する」トクホと、「体に脂肪がつきにくい」トクホとの区別がついていない一般消費者が非常に多いのも、気になるところだ。難消化性デキストリンは前者で、脂肪が体内に吸収されるのを抑制する。一方、後者は茶カテキン(本誌2012年2、3月号)で、肝細胞中での脂肪の分解、燃焼を助ける。

 これらを踏まえて、購入希望者にはこう説明するといいだろう。「おなかの調子を整え、食後の血糖値を上がりにくくする働きのある難消化性デキストリンが入ったトクホです。さらに、第3の働きとして、脂肪の吸収も抑えることが分かりました」。

講師
太田 篤胤
Atsutane Ohta
東京農工大学卒。テルモ、明治製菓を経て、2004年から城西国際大学薬学部教授。「オリゴ糖のミネラル吸収促進作用」の研究で、トクホを商品化した経歴を持つ。趣味はフルマラソン。

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