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薬局なんでも相談室2
相談室2:パート管理薬剤師の責任
日経DI2012年6月号

2012/06/10

日経ドラッグインフォメーション 2012年6月号 No.176

 薬事法では、保健衛生上の支障が生じないよう、管理薬剤師に対して主に3つの義務を定めています(第8条)。

 1つ目は、薬剤師やスタッフが適切に薬局業務を行っているかの確認です。2つ目は、医薬品の保管や薬局業務に関する構造設備が適切であるか管理することです。そして3つ目は、薬局業務全般に関して改善すべき事項などがある場合、薬局開設者に意見を述べることです。

 法的には、管理薬剤師の役割は薬局を「実地に管理しなければならない」とされていますが、「週○時間以上勤務しなければいけない」「常勤でなければならない」といったルールはありません。ただ、管理薬剤師の義務の範囲は、薬局業務の全般にわたるので、実際には勤務時間の長い常勤者が務めていることが多いようです。

 ご相談者の薬局のように、薬剤師不足などで常勤者がいない場合、パートでも管理薬剤師を任されるケースがあります。その場合、自分の勤務時間外に、他の薬剤師が起こしたミスであっても、管理薬剤師の責任が問われるケースは十分あります。

 例えば、調剤した薬剤師が、処方箋を誤読し、処方薬を2倍量調剤して患者に健康被害を与えたとします。このような場合、通常は調剤を行った薬剤師が責任を負いますが、その薬剤師が業務中にしばしばミスを起こしていたなら、「指導や教育が足りなかった」として、その管理責任が問われることがあります。管理薬剤師が不在でこうした事故が発生しても、薬事法第8条違反と考えられるためです。

 記憶に新しい例として、2010年に埼玉県の薬局で、自動分包機のウブレチドのセッティングミスによる誤投薬で、患者1人が死亡した事故がありました(本誌2011年9月号リポート参照)。管理薬剤師は調剤ミスに気づいたにもかかわらず、患者に連絡して調剤薬を回収するなどの手続きを講じず、薬局開設者にも報告していませんでした。このケースでは、管理薬剤師は嫌疑不十分で不起訴処分となったものの、監督責任や、薬局業務に必要な注意を怠ったとして管理薬剤師の責任が問われ得るような時代になったといえます。

 パート勤務で管理薬剤師を務めることのプレッシャーはあるかもしれませんが、スタッフの協力を得つつ、管理業務に当たっていただきたいと思います。

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