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薬局なんでも相談室1
相談室1:FK配合散はオブラートで包んじゃダメ?
日経DI2012年6月号

2012/06/10

日経ドラッグインフォメーション 2012年6月号 No.176

 FK配合散は様々な成分を含む健胃薬です。炭酸水素ナトリウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどの制酸薬、ジアスターゼなどの消化薬に加え、ケイヒ末、ウイキョウ末、チョウジ末、ショウキョウ末、サンショウ末など食欲を増進させる生薬などが配合されています。

 制酸薬成分が胃酸を中和、胃粘膜を保護し、消化薬成分が主に炭水化物などの消化を助けます。さらに、生薬の苦味や辛味、そして匂いなどが、味覚、嗅覚を通じて胃粘膜を刺激し、唾液の分泌などを促して、総合的な食欲増進作用が期待されます。まさに「良薬口に苦し」の典型なのです。

 そのため、オブラートに包んでしまうと、せっかくの苦味や芳香が感じられにくくなってしまい、薬の効果が減弱してしまうと考えられます。先輩はそう考えて注意したのでしょう。

 ただし、オブラートを使っても、効果を損なわずに服用することは可能です。まず、FK配合散を通常通りオブラートに包みます。その後、オブラートが破れない程度に少量の水で表面を湿らせてから、口の中に入れます。

 そして、すぐに飲み込まずに、オブラートが完全に溶けるまで口の中にとどめておき、苦味や芳香を十分に感じた時点で、多めの水で流し込みます。

 こうすることで、口の中がパサつかずに服用でき、しかもしっかりと苦味や芳香を感じることができます。

 ただ、高齢の患者さんなどで、こうした飲み方が難しいと感じる人もいますので、患者さんの状態を把握した上で勧めるようにしましょう。

服用前に鼻をかんでおく

 ところで、FK配合散は、軽度のかぜによる食欲不振の患者に、食前で処方される場合があります。こんなときに効果を高めるちょっとした工夫があります。それは嗅覚をよくするため、服用前に鼻をかんでもらうことです。

 さらに、食事の前に梅干しなどの食品をよく眺めて、唾液の分泌を十分に促してから服用するよう指導します。

 健胃薬は一般に、食欲不振の治療が目的のときには食前に、消化不良の治療が目的のときは食後に服用するということも、覚えておくとよいと思います。

 なお、近年、FK配合散を含むアルミニウム含有製剤は、使用が制限されつつあることも知っておくべきでしょう。

 特に、腎機能低下患者や透析患者は、アルミニウムが蓄積することによる健康被害として、アルミニウム脳症(透析脳症)やアルミニウム骨症が起こる可能性が高いことが指摘されており、腎機能低下者には慎重投与、透析患者は禁忌となっています。

 こうした患者では、かぜが悪化すると、腎機能がさらに低下する可能性があるため、FK配合散の服用を中止して、すみやかに医療機関を受診するように伝えてください。

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