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日経DI2012年5月号

2012/05/10

日経ドラッグインフォメーション 2012年5月号 No.175

薬剤師のための災害対策マニュアル
病院や薬局での対応をチェックリスト形式で示す

 厚生労働科学研究「薬局及び薬剤師に関する災害対策マニュアルの策定に関する研究」班(代表者:富岡佳久東北大学大学院薬学研究科教授)はこのほど、「薬剤師のための災害対策マニュアル」をまとめた。今後、起こり得る大災害に備えて、医療機関や薬局の薬剤師と薬剤師会が行うべき平時の準備・防災対策や、災害時の活動などが示されている。

 同マニュアルでは、医療機関の薬剤部門、薬局、薬剤師会に分けて、それぞれに(1)直ちに取り組むべきこと、(2)災害が発生し自施設が被災したときの対応、(3)災害救援活動を行う際に必要なこと、(4)平時に準備すべきこと─をチェックリスト形式でまとめている。

 災害発生時、医薬品の供給をはじめとする多くの役割が薬局に求められることから、マニュアルには「薬局の迅速な再開が、地域における医療の復旧を促進する」と明記。平時から、(1)連絡先一覧の作成や医薬品、防災用品の確保などに取り組むこと、(2)災害発生時には速やかに業務継続の可否を判断し、地域薬剤師会を経由して自治体へ報告すること、(3)医薬品卸に医薬品供給ルートを確認すること─などを求めた。

 資料編として、災害時に需要が見込まれる医薬品のリストや、東日本大震災の際に発出された被災地における調剤に関する厚労省通知、消毒薬の使い方などを盛り込んでいる。


薬剤師国家試験初の6年制修了者の合格率は95%と高水準

 厚生労働省は3月30日、第97回薬剤師国家試験の結果を発表した。今回は、薬学6年制課程修了者を対象とした初の国試となった。合格者総数は8641人で合格率は88.31%。6年制卒業者に限った合格率は95.33%だった。4年制新卒者が最後に受験した09年の合格率(74.40%)に比べ、かなり高い値だ。

 合格率を設置主体別に見ると、国立が81.64%、公立が89.22%、私立が88.79%だった。大学別合格率では、近畿大学(99.18%)、昭和薬科大学(98.08%)、武蔵野大学(97.6%)の順に高かった。一方、東京大学(35.00%)と第一薬科大学(39.36%)の合格率は30%台にとどまった。


後発品Q&A公表 変更後発品での副作用、薬剤師に責任なし

 厚労省は4月2日、後発医薬品に関する科学的見解をまとめたQ&A集「ジェネリック医薬品への疑問に答えます」を公表した。医療従事者らの不安を払拭することを目的に11の質問に答えている。

 例えば「添加剤が違う後発品は、先発品と同じといえないのではないか」という質問に対しては、「添加剤の成分や配合量が異なっていても有効性・安全性に違いが生じないことを確認している」と回答。「変更した後発品による副作用が生じた場合、誰が責任を負うのか」に対しては、医師の処方と薬剤師の調剤が適正であれば、副作用が発生したとしても、医師や薬剤師に責任が生じるものではないとしている。


費用に関する意見多数 日薬に寄せられた薬局への意見まとまる

 日本薬剤師会は4月9日、2011年度に同会に寄せられた薬局や薬剤師に対する苦情・意見のうち、代表的なものを取りまとめて会員に公開した。

 苦情・意見の取りまとめは毎年行われている。今回は、前から多く寄せられている接遇や態度に関する苦情に加えて、薬剤服用歴管理指導料や後発医薬品調剤加算、薬剤情報提供料など調剤報酬についての苦情が目立った。

 また、「副作用の説明がなかった」「薬の専門家だというなら医師へきちんと意見してほしい」「薬剤師に色々相談したかったのに、説明が受けられなかった」といった、薬剤師業務そのものに関する意見も多く寄せられた。


一定の条件満たせば第2類の通販を許容、医薬品ネット販売報告書

 日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)が設置した「医薬品の安全で円滑な提供方法を考える有識者会議」(座長:横森豊雄 関東学院大学教授)は4月6日、報告書を公表した。

 インターネット販売なども含めたOTC薬の通信販売に関して、現行の薬事法では原則第3類医薬品に限定している。だが今回の報告書では、店舗での業務を補完する手段として、一定の条件を満たすことを前提に第2類医薬品までの通信販売を認めるべきとの意見を示した。条件として、初回は対面販売を行うことや電話・メールでの相談に応じること、販売記録や相談カードを保存しておくことなどを挙げている。


<新薬DIピックアップ>
ボナロン点滴静注バッグ900μg《4月17日薬価収載、5月10日発売予定》
ビスホスホネート系薬で初の注射剤

 骨粗鬆症とは、「加齢などにより骨吸収と骨形成のバランスが崩れ、相対的に骨吸収が優位になったことで骨量の減少が起こり、更に骨微細構造の変化により骨強度が低下することで、骨折が起こりやすくなる疾患」である。特に高齢者では骨折が寝たきりに直結し、患者のQOL低下につながることから、早期治療が必要不可欠となっている。

 骨粗鬆症の治療薬としては、カルシトニン製剤、ビスホスホネート製剤、活性型ビタミンD3製剤、女性ホルモン製剤、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、ヒト甲状腺ホルモン(PTH)製剤、イプリフラボン製剤、蛋白同化ホルモン製剤などがある。この中で、国内のガイドラインでは、女性ホルモン製剤(結合型エストロゲン)、ビスホスホネート製剤、SERM、PTH製剤などが強く推奨されている。

 今回、帝人ファーマが発売を予定しているアレンドロン酸ナトリウム水和物注射液(商品名ボナロン点滴静注バッグ900μg)は、骨粗鬆症に適応を有するビスホスホネート製剤では初となる、点滴静注製剤である。経口製剤では、投与後30分は横にならないとか、服用前後は水を除く飲食並びに他の薬剤の経口摂取を避けるといった制限があるが、注射剤にはそうした制限がないことが利点である。また臨床試験では、既存の週1回製剤との比較で非劣性も確認されている。医療機関で30分以上かけて点滴静脈内投与を受ける必要があるが、4週間に1回なので、患者負担はそれほど大きくないともいえる。

 承認時までの臨床試験では、何らかの副作用(臨床検査値異常を含む)が17.2%に認められている。主な副作用は背部痛(2.4%)、筋肉痛(1.5%)などであり、重大な副作用として肝機能障害、黄疸、低Ca血症、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、顎骨壊死・顎骨骨髄炎、大腿骨転子下および近位大腿骨骨幹部の非定型骨折に、注意が喚起されている。

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