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薬局なんでも相談室1
相談室1:「トリプタンが効かない!」と言う患者
日経DI2012年5月号

2012/05/10

日経ドラッグインフォメーション 2012年5月号 No.175

 ご相談者が既に指導されているように、トリプタンは「頭痛が起きたらできるだけ早く飲む」のが原則です。まずは、頭痛が始まってからすぐに服用できているか確認してみましょう。

 トリプタンは、セロトニン受容体に選択的に作用し、頭痛時に拡張している血管を縮小させるよう働く薬剤です。閃輝暗点(ギザギザの光が目の前に見えて目の前が真っ暗になる)や視力障害などがみられる片頭痛の前兆期にトリプタンを服用しても、効果はみられません。患者さんが前兆期に服用しているようであれば、服用のタイミングを少し後にするよう指導してください。

 ただ、患者さんによっては、頭痛が始まった状態について、「何となくもやもやして痛いのかどうか分からない」と表現することがあります。そんなときには、「頭を軽く左右に振ってみて、鈍い痛みがあったら片頭痛が始まっているので、飲んでください」とアドバイスするとよいと思います。

 一方、トリプタンを飲むタイミングが遅くなると、頭痛に伴って吐き気や消化管の機能低下がみられるようになり、薬剤の血中濃度が上がらず、効きが悪くなる可能性があります。

 また、患者さんに頭痛ダイアリーを渡して、頭痛があった日、その強さ、痛み始めてどのくらいでトリプタンを服用したか、効いてくるまでの時間─といった情報を記入してもらうようにしましょう。

 医師からダイアリーを付けるように言われていない患者さんも多くいますので、薬局で勧めていただくことは有益だと思います。服用のタイミングのチェックや、今後の治療方針にも役立ちます。頭痛ダイアリーは、製薬会社が配布しているほか、日本頭痛学会のウェブサイトからもダウンロードできますので活用してください。

 また、片頭痛の患者は「この痛みを何とかしてほしい」という思いから、トリプタンに対して強く期待する傾向があり、「自分が思っていたような治療効果が得られない、イコール効いていない」と考えがちです。今回のケースではトリプタンを飲むようになって間もないようですし、その傾向があるかもしれません。こうした患者さんに対し私は、「服用後2時間くらいで日常の動作が行えるようになれば、トリプタンはある程度は効いていると判断してください」とお伝えするようにしています。

 なお、このように正しいタイミングで服用しても改善しないという場合に、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の併用やトリプタンの増量といった方法が検討されます。

 また、頭痛の改善効果はあっても、だるさや喉が締め付けられるような感じを訴える患者には、別の銘柄に変更するようにしています。

 トリプタンが発売されて10年たち、薬剤師の方々の服薬指導はレベルアップしていると感じています。引き続き頭痛ダイアリーなどを使い、きめ細かい指導を行っていただければと思います。

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