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薬局なんでも相談室2
守秘義務と個人情報保護
日経DI2012年4月号

2012/04/10

日経ドラッグインフォメーション 2012年4月号 No.174

 薬剤師の守秘義務については、刑法134条1項(秘密漏示)に書かれています。具体的には「医師、薬剤師、医薬品販売業者等またはこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金に処す」というものです。

 ここでいう「秘密」とは、他人に知られることが本人の不利益になる情報を指します。薬剤師は、業務を通じて患者の状態、病歴、年齢、家族関係、職業、家庭内の事情などを知ることができますが、どの情報の漏示が患者にとっての不利益につながるかは一概には判断できませんから、全ての情報について漏らすべきではないといえます。

 もちろん業務の必要上、薬局内の同僚に患者に関する情報を伝えることは、法律の文言にもある「正当な理由」に該当すると判断されますから問題ありません。ですが、例えば同じチェーン内の別の店舗のスタッフに理由もなく秘密を伝えたり、患者情報を容易にアクセスできる状態で放置することは、秘密漏示に当たる可能性があります。

 一方、個人情報保護法(正式名称は「個人情報の保護に関する法律」)は、5000件以上を超える個人情報(氏名や住所など)を取り扱う事業者に対して、義務や対応を定めたものです。保護されるべき個人情報は、刑法でいうところの「秘密」だけではありません。薬局では処方箋、健康保険証、薬歴、患者名簿、薬局内の監視カメラの映像などの内容が対象になり、これらのうち特定の個人を推測できるものが保護されるべき個人情報に該当します。

 また、個人情報を取り扱う際には、利用目的をできるだけ限定し、本人に通知すること、第三者に提供する際には本人の同意を得ることが義務付けられています。第三者への提供については、たとえ患者の家族であっても、本人の許諾なしに個人情報を教えることはNGですから、注意してください。

 このように守秘義務と個人情報保護は、別の法律で定められており、保護の対象となる情報の種類も異なりますが、薬局に勤務する薬剤師としては、その違いをことさら意識する必要はありません。患者の情報は口外しないこと、患者情報を店舗外に持ち出さず、外部から容易にアクセスできる場所に置かないことを心掛けてください。

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