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日経DI2012年4月号

2012/04/10

日経ドラッグインフォメーション 2012年4月号 No.174

お薬手帳忘れたらシールでも可
2012年調剤報酬改定、算定要件の詳細が明らかに

 厚生労働省は3月5日、2012年度調剤報酬改定の通知などを発表し、算定要件の詳細を明らかにした。

 新しい薬剤服用歴管理指導料(処方箋の受け付け1回につき41点)では、「お薬手帳による情報提供」などを算定要件に追加。お薬手帳を持参していない患者の扱いが注目されていたが、厚労省は、シールなどの簡潔な文書を渡すだけでも算定が可能とした。このほか、薬剤服用歴管理指導料の要件には残薬の確認や後発品の情報提供も加わっている。

 基準調剤加算は、門前の医療機関に合わせて開局時間を設定している場合は算定できなくなる。ただし経過措置として、2012年3月31日時点で基準調剤の届け出をしている薬局は、6月30日までは開局時間の要件を満たしていると扱う。

 ハイリスク薬の情報提供で算定できる特定薬剤管理指導加算は、「薬局では得ることが困難な診療上の情報の収集は必ずしも必要としない」「これまでの指導内容を踏まえて適切な指導をする」といった文言が加わり、薬局が行うべき情報提供の内容がより明確になった。

 新設項目である調剤料の「在宅患者調剤加算」(在宅患者の処方箋受け付け1回につき15点)は、施設基準として直近1年間で(1)在宅患者訪問薬剤管理指導料(2)居宅療養管理指導費(3)介護予防居宅療養管理指導費─の合算で10回以上の算定が求められる。


グローウェルHDのドラッグストア2社がTポイントを導入

 グローウェルホールディングスは、傘下のドラッグストアチェーン、ウエルシア関東と寺島薬局において、共通ポイントサービス「Tポイント」の導入を3月から開始したと発表した。保険調剤の自己負担分にもポイントを付与するとしており、調剤ポイント規制の流れに逆行する形だ。

 TポイントはTSUTAYAを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が運営する共通ポイントサービスで、提携企業は81社に上る。ウエルシア関東と寺島薬局のTポイントは、105円で1ポイントが付き、たまったポイントは1ポイント1円で、両社を含むTポイント提携先で使用できる。ただし、調剤の自己負担分の支払いにはポイントは使えない。


文科省検討会、質の高い入学者確保へ薬科大学にヒアリング

 文部科学省の「薬学系人材養成の在り方に関する検討会」は、3月19日の会合で、薬科大学や大学薬学部で質の高い入学者を確保するため、入学定員が大きく割れ込んだり5年次進級率が低いなどの大学にヒアリング調査を実施し、改善策を取りまとめることとした。

 ヒアリング調査の対象になるのは、(1)2008~11年度の入学定員充足率が平均60%以下(2)同期間の入学試験の実質競争倍率が平均1.2倍以下(3)実務実習修了率が60%以下、または2010年度と2011年度の5年次進級率が平均60%以下─に当てはまる大学で、日本薬科大学や九州保健福祉大学など23大学が該当する。


日薬が新人薬剤師向け調剤事故防止テキストの改訂版を公表

 日本薬剤師会はこのほど、『新任薬剤師のための調剤事故防止テキスト(第二版)』を公表した。2005年に発行した同テキストの改訂版。内容をアップデートし、事例を豊富に盛り込んだのが特徴だ。

 2007年の医療法、薬事法の改正では、医薬品の安全使用のための体制確保が薬局の開設者に義務付けられた。改訂版は、指針の策定や研修の実施、責任者の設置など、求められる安全管理体制を具体的に説明している。

 また、2010年に厚労省の「内服薬処方箋の記載方法の在り方に関する検討会」が示した処方箋記載方法を踏まえ、用量の誤認がないよう事例を挙げて解説している。


日薬、6月の改正薬事法完全施行に向け解説資料を公表

 日薬は3月15日、改正薬事法のOTC薬販売制度に関して、5月末で終了する経過措置や法令の概要、チェックポイントを解説した資料を公表した。6月の改正薬事法の完全施行に対応するとともに、厚労省の調査で、第1類医薬品の販売時に、薬剤師が文書を使って詳細な説明をした薬局が3割にとどまった結果(2月号Topics参照)を受け、制度を改めて薬局に周知徹底するのが狙い。

 5月末で終了する経過措置には、第1類医薬品の陳列設備から1.2m以内に消費者が進入できない措置を施した「第1類医薬品陳列区画」の設置や、OTC薬を販売しない時間の陳列場所の閉鎖、薬局内掲示などがある。


<新薬DIピックアップ>
ルネスタ錠1mg、同錠2mg、同錠3mg《1月18日承認》
耐性を起こさないゾピクロンの光学活性体

 不眠症は、生活習慣の多様化などにより、睡眠の開始と持続、眠りの質などが繰り返し障害され、昼間の生活に支障を来すようになった状態をいう。日本では2000万人以上が不眠症に悩んでいると推定されており、その数も年々増加傾向にあるといわれている。

 不眠症の治療では、ベンゾジアゼピン系睡眠薬および非べンゾジアゼピン系睡眠薬が主に使用されている。これらは、血中半減期などで超短時間作用型、短時間作用型、中間型、長時間作用型に分類され、患者の不眠症のタイプにより使い分けられている。具体的には、比較的患者数の多い「入眠障害」では、超短時間型の非ベンゾジアゼピン系睡眠薬であるゾルピデム(商品名マイスリー)やゾピクロン(アモバン他)が主に使用されている。

 今回、エーザイが製造販売承認を取得したエスゾピクロン(ルネスタ)は、ゾピクロンを光学分割して得られた、薬理活性の大部分を有する光学活性体(s体)である。本薬は、ゾピクロンと同様、GABA(γアミノ酪酸)受容体のイオンチャネル型であるGABAA受容体に結合することにより、GABAの効果を増強し、睡眠を誘発する。

 国内外の臨床試験では、入眠障害に加え、中途覚醒にも有効であることが確認されている。また、臨床的にしばしば問題となる依存性や持ち越し効果などが認められず、長期投与時にも耐性(有効性の減弱)を示さない点が、本薬の特徴とされている。海外では、2005年に米国で、投与期間に制限がない不眠症治療薬として承認されている。

 海外の並行群間比較試験では、50.0%に何らかの副作用が認められている。主な副作用は、味覚異常(21.0%)、頭痛(10.7%)、傾眠(7.8%)、浮動性めまい(5.1%)などである。なお、エスゾピクロンでは、既存薬であるゾピクロンでは認められている「麻酔前投薬」への適応がないので注意したい。

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