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生理不順(周期の異常)に効く漢方(2)
頻発月経、稀発月経、無月経への漢方処方

2014/11/17

■症例3


「生理が遅れて来ます。半年近く生理が来ないこともありました」

 たまに生理が来ても量が少なく、経血は鮮血ではなく淡紅色です。血の固まりはありません。舌は白っぽい色をしています。最後に生理が来たのは3カ月前でした。

 この人の証は「血虚(けっきょ)」です。人体に必要な血液や栄養が不足している体質です。偏食など無神経な食生活、胃腸機能の低下、出血、慢性疾患などにより、この証になります。血が不足しているため、生理周期が遅れます。生理の量が少ない、経血が淡紅色、白っぽい舌などが、この証の特徴です。髪の艶がない、爪が割れやすい、目が疲れるなどの症状を伴う場合もあります。

 この場合は、漢方薬で血を補い、生理周期を調えます。処方は四物湯(しもつとう)、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)などを使います。この女性は十全大補湯を服用し、2週間後に久しぶりに生理が来ました。その後も稀発月経が続きましたが、徐々に生理が安定し、1年後には生理が毎月来るようになりました。

 冷えを伴うようなら「血寒(けっかん)」証です。寒冷により血の流れが停滞するため、生理が遅れます。血熱同様、2つの証があります。服装や食生活の影響で寒邪の勢いが盛んになって生じる「実寒」と、長期の体調不良や生活習慣、環境の影響で陽気が衰え、相対的に寒邪の勢いが強くなる「虚寒」です。体を温めて血行を促す漢方薬で生理不順の治療をします。実寒の場合は当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)などで血寒を温め、虚寒の場合は八味地黄丸(はちみじおうがん)などで陽気を補い、生理を安定させます。

 肝鬱気滞で稀発月経となることもあります。その場合は、症例1のように四逆散などを使います。

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 次回は、生理不順のうち、経血量が少ない、多い、だらだら続く、生理期以外にも出血があるといった「量」に関する異常について、解説していきます。

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著者プロフィール

幸井俊高(「薬石花房 幸福薬局」代表)
こういとしたか氏。東京大学薬学部卒業。北京中医薬大学卒業。ジョージ・ワシントン大学経営大学院修了。1998年、中国政府より中医師の認定を受け、日本人として18人目の中医師となる。2006年に「薬石花房 幸福薬局」を開局。『漢方でアレルギー体質を改善する』(講談社)『男のための漢方』(文春新書)など著書多数。

連載の紹介

幸井俊高の「漢方薬 de コンシェルジュ」
東京の老舗高級ホテル「帝国ホテル」内で、完全予約制の漢方薬局を営む幸井氏。入念なカウンセリングを行い、患者一人ひとりに最適な漢方薬を選んでくれる薬局として、好評を博している。これまで多くの患者と接してきた筆者が、疾患・症状ごとに症例を挙げて、漢方薬の選び方と使い分けについて解説する。

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