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生理不順(周期の異常)に効く漢方(2)
頻発月経、稀発月経、無月経への漢方処方

2014/11/17

 生理不順には、生理が早く来る場合(頻発月経)や、遅く来る場合(稀発月経)、無月経などがあります。そういう場合、どのような漢方処方を使うのでしょうか。

■症例2


「生理周期が短く、20日そこそこで来てしまいます。経血量が多くて疲れやすく、貧血気味です」

 生理の間隔が短く、生理が終わってしばらくしたら、すぐ次の生理が来ます。経血は鮮血ではなく淡紅色です。生理痛はさほど重くありませんが、量が多いので疲れます。舌は白っぽい色をしています。

 この人の証は「気虚(ききょ)」です。生命エネルギーを意味する「気」が不足している体質です。気の機能の一つに、血など人体に必要なものが体外に漏れ出ないようにコントロールする働き(固摂作用)がありますが、気虚になるとこの力が弱まり、出血しやすくなります(気不統血)。このため生理周期が早まります。過労、生活の不摂生、慢性疾患などにより気を消耗すると、この証になります。もともと虚弱体質の場合もあります。食欲不振、息切れしやすいなどの症状がみられることもあります。

 この体質の場合は、気を補う漢方薬で生理不順を治療します。代表的な処方は補中益気湯(ほちゅうえっきとう)です。服用を始めて少しずつ、生理周期、経血の量、色が改善され、8カ月目から生理が28日周期で安定して来るようになりました。疲れにくくもなりました。

 頭がぼーっとする、眠りが浅いなど血虚の症候もみられる場合は帰脾湯(きひとう)を使います。

 気虚以外に、「血熱(けつねつ)」証で頻発月経になる場合もあります。血熱は、熱邪が血に侵入した証です。熱邪の影響で出血が促され、生理が早く起こります。精神的なストレスや、味が濃く脂肪分が多い食生活によって熱邪の勢いが盛んになって生じる「実熱」と、長期の体調不良などによって陰血が消耗し、相対的に熱の勢いが強くなる「虚熱」とがあります。実熱の場合は温清飲(うんせいいん)などで血熱を冷まし、虚熱の場合は三物黄芩湯(さんもつおうごうんとう)などで陰血を補い、生理を安定させます。

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著者プロフィール

幸井俊高(「薬石花房 幸福薬局」代表)
こういとしたか氏。東京大学薬学部卒業。北京中医薬大学卒業。ジョージ・ワシントン大学経営大学院修了。1998年、中国政府より中医師の認定を受け、日本人として18人目の中医師となる。2006年に「薬石花房 幸福薬局」を開局。『漢方でアレルギー体質を改善する』(講談社)『男のための漢方』(文春新書)など著書多数。

連載の紹介

幸井俊高の「漢方薬 de コンシェルジュ」
東京の老舗高級ホテル「帝国ホテル」内で、完全予約制の漢方薬局を営む幸井氏。入念なカウンセリングを行い、患者一人ひとりに最適な漢方薬を選んでくれる薬局として、好評を博している。これまで多くの患者と接してきた筆者が、疾患・症状ごとに症例を挙げて、漢方薬の選び方と使い分けについて解説する。

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