電気的除細動後に心房細動(AF)が1回以上再発し、アミオダロンとACE阻害薬またはアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)を併用投与している持続性AF患者では、n-3系多価不飽和脂肪酸(n-3 PUFA) の投与により、直流通電除細動(DCCV)後の洞調律維持率が改善することが分かった。結果はCirculation誌オンライン版8月15日号に掲載された。
n-3 PUFAがAF予防において果たす役割については意見が分かれている。また、アミオダロンとACE阻害薬またはARBとの併用は、アミオダロンの単独投与よりAF予防に有効であったとの報告がある。
そこでイタリアの研究者らは、ACE阻害薬またはARBとアミオダロンを投与している持続性AF患者を対象として、DCCV後の洞調律維持率がn-3 PUFAにより改善するか調べた。
イタリアBrescia大学の不整脈・心不全外来をDCCVのため紹介受診した持続性AF患者を前向きに登録し、2006年1月7日~2007年4月30日にスクリーニングを実施した。
AFが1カ月以上持続しており、24時間ホルターモニタリングで確認され、前回の電気的除細動成功後に1回以上再発した既往のある患者205例を対象とした。
続いてrun-in期間にワルファリン、アミオダロン、ACE阻害薬またはARBの投与を開始。ワルファリンは国際標準比(INR)が2.0~3.0になるよう調整し、アミオダロンは維持用量を200mg/日とし、ACE阻害薬およびARBは最大忍容可能量になるようにした。
3週間後、除外基準に該当しないことを確認した上で、患者をn-3 PUFA 2g/日(102例)またはプラセボ(103例)のいずれかにランダム化した。
n-3 PUFAまたはプラセボの投与開始(またはINRが4週間連続して目標を達成した時点)から4週間後、n-3 PUFA群99例中97例、プラセボ群100例中96例にDCCVを実施した。n-3 PUFA群2例とプラセボ群4例は自然回復した。
1次エンドポイントは、1年後の洞調律維持率とした。
intention-to-treat解析を実施し、AF初回再発までの時間をKaplan-Meier法により解析し、ログランク検定を用いて比較した。Cox回帰モデルを用いてハザード比と95%信頼区間を算出した。
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