2008/10/21
子宮頸がん監修:京都大学婦人科学産科学講座教授 小西 郁生 | ![]() | |||
子宮頸がんの場合、早期であれば、将来の妊娠に備えて子宮や卵巣を残した治療を受けることが可能です。具体的には、前がん病変の異形成や上皮内がん(0期)および微小浸潤がんのうちで浸潤の深さが3 mm以内(Ⅰa1期)の場合は、子宮頸部円錐手術という手術を行い、子宮を残すことが可能です。ただし、この円錐切除を受けた後に妊娠した場合には、早産のリスクが高くなるといわれていますので、妊婦検診では注意が必要です。
また、この子宮頸部円錐手術を行って、がん細胞の広がりを顕微鏡検査でていねいに調べることが重要です。もしも、この病理検査で深い浸潤やリンパ管内への浸潤がみつかった場合は、やはりがんを治すことが先決ですので、リンパ節郭清を含む子宮摘出術が必要です。なお、Ⅰa2期~Ⅰb期でも子宮頸部を広く切除して子宮体部を残すような特殊な手術(トラケレクトミー)を行っている施設もあります。
あなたの場合、子宮や卵巣を温存する手術が可能かどうか、担当医師の説明をよく聞いてください。