2008/09/24
食道がん監修:京都大学医学部消化器内科准教授 武藤 学 | ![]() | |||
食道がんの手術は難易度が高く、化学放射線治療についても副作用や毒性を最低限に抑えながら治療成績を最大限にひきだす高度な技術が必要です。手術と科学放射線療法のどちらについても、治療件数が多く経験豊富な病院と年に数件しか治療を行っていないところでは治療成績に差があります。
どのくらいなら治療件数が多いといえるかは難しい問題ですが、目安は、手術と化学放射線治療をそれぞれ年間30人以上です。手術の前には抗がん剤治療を行ったり、後から放射線をかけることが必要になることもありますし、逆に、化学放射線治療の後に手術が必要になるケースも少なくありません。そういったことを考えると、どちらの治療を受けるにせよ、手術も化学放射線治療もそれぞれ年間30人以上治療している病院を選んだほうがよいのではないでしょうか。
また、内視鏡治療や胸視鏡下手術を受ける場合にも、できるだけ合併症を避けるためには、その治療に慣れている医師のいる病院を選ぶことが大切です。内視鏡治療なら、日本消化器内視鏡学会専門医、胸視鏡下手術なら、日本内視鏡外科学会の消化器・一般外科部門の技術認定取得者のいる病院で治療を受けることをお勧めします。