2008/05/20
腎がん監修:京都大学医学部泌尿器科学教室教授 小川 修 | ![]() | |||
凍結療法、ラジオ波焼灼療法は、超音波やCT、MRIで病巣の位置を確認し、体の上から注射針のような針を刺して病変部を液体窒素で凍結したり、高周波の電流で焼いたりしてがんを壊死させる治療法です。
これらの治療法の長所は局所麻酔で受けることができ、手術に比べると体への負担が少なく入院期間も短いことです。しかし、まだ長期的な成績が明らかではなく、保険も適応されていないのが大きな短所です。また、どちらも実施病院が非常に限られています。年齢やほかの病気のために手術が受けられなかったり、ほかの臓器に転移がある人などについては、この治療法を受けるメリットがあるかどうか、メリットがあるとすればどこで受けられるか担当の先生に確認しましょう。
なお、いまのところ(2008年4月1日現在)、腎臓がんのラジオ波焼灼療法に関しては、岡山大学病院、京都府立医科大学附属病院、三重大学医学部附属病院で、「従来の外科的治療法の実施が困難なもの、または外科的治療法の実施により根治性が期待できない」ケースに限って、厚生労働省の「先進医療」の枠内で受けることができます。
また、臨床試験として、凍結療法やラジオ波による治療を受けるときには、予後を改善する治療法かどうか確認されていないことを理解した上で、メリット、デメリットをよく聞き、実際に受けるかどうか決めるようにしましょう。