日帰り温泉で疲れ取り&会話でリフレッシュ
フリーランスで働く私は、この時期、仕事をいくつか断り、週の半分ほど実家に滞在していました。床が一部抜けてしまった築43年の実家をリフォームするため、その手配だけでなく、リフォーム前の不要品処分、介護保険の調査と申請手続きなど、治療以外のことでも、目の回るような忙しさでした。
不用品処分とリフォーム作業は、父が入院中に行いました。私も母も、これら作業の合間に、父の面会のために病院に行き、へとへとでした。
そこで、実家の近くにある日帰り温泉の回数券を買って、毎日のように出掛けました。食事を作る元気がないときは、日帰り温泉の館内にあるレストランで食事を済ませました。主婦にとって、炊事を省略できることは、疲労回復の早道です。夜ぐっすり眠れて、朝すっきり目が覚めるので、忙しい時ほどありがたみを実感できます。
「快気祝いに、温泉旅行に行きたいね」とは、誰でも考えることでしょう。
でも、治ってから行こう、では遅い場合があります。そのゴールにたどり着く前に、疲れがたまって燃え尽きてしまう恐れがあります。だからこそ、近くにある日帰り温泉に通って「疲れをためない」ことが大事だと私は考えたのです。
また、女同士で温泉に出掛けると、おしゃべりにも花が咲きます。露天風呂で風に吹かれながら、昔話で盛り上がる――そんな時間の使い方は、癒し効果満点です。
「がん患者の家族」経験者の言葉が励みに
私は当時、母の精神状態と体力を心配していましたが、実は私自身も、参っているんだなと感じた瞬間がありました。
私は、母に比べれは24歳若く体力もあるし、インターネットも使えます。「だから私は母ほど大変じゃない」と思い込んでいたのです。でも、体力勝負の作業ではどっと疲れを感じていました。