また、病院がある「場所」も病院選びを左右します。
母の乳がん治療では、外科手術の後、放射線治療、抗がん剤投与という長い入院が必要だったので、私や妹が面会に行きやすいように、新宿駅に近い病院を選びました。妹の職場が新宿なので通うのに都合が良かったのです。
結果的に妹が週2回、私が週1回というペースで母の面会に行きました。新宿は実家からは電車で1時間ほどかかるのですが、父にとっては問題になりませんでした。というのも、父は女性だけの病室を訪ねるのは気後れすると言って、ほとんど面会に行かなかったからです。
長い入院になりそうだったら、家族が面会に通いやすいかどうかも、病院選びの条件の1つだと思います。
地元のクチコミも参考にしよう
わが家の場合、病院の選択肢は2つに絞られました。1つは、切る場合の病院として、実家から車で30分の距離にある、国立のがん専門病院です。ホームドクターの推薦もここでした。また、私が選んだ食道がんの解説書の著者がこの病院の医師だったこと、インターネットで公表されていた食道がんの手術件数が多かったことも決め手でした。
同時にもう1つ、切らない場合の候補も選びました。その病院を選んだ理由は、院長の著書を読んでその治療方針に感銘を受けたためです。
インターネット上の体験記では、具体的な病院名、医師名が書かれていることがあります。そして同じ病気の人の体験記を読んでみると、役に立つ情報に当たる可能性があります。
また、ご近所や親戚などで、同じような病気を体験した人がいたら、どの病院で治療を受けたか、その病院での治療に対する感想を聞いてみるとよいでしょう。
はにわきみこさんの著書『親ががんだとわかったら ― 家族目線のがん治療体験記』(発行:文藝春秋 価格:本体1238円+税)は、がんナビの「書籍紹介」で掲載しています。「書籍紹介」はこちらです。 |
---|