2010/03/23
治療の効果がなかった場合、家族はさらなる問題に直面します。きょうだいが死ぬかもしれないと耳にすることはとてもつらいことです。あなたはきょうだいががんだと聞かされたときと同じように、多くの感情を抱くことでしょう。
すべてに答を出したり、あなたがどのような気持ちになるかを正確に示すことのできる冊子はありません。でも、明日が見えないようなとき、他のティーンは次のようなことをして乗り越えてきました:
・残された貴重な時間を有意義に過ごしましょう。
家族で特別なことをしましょう。家ではきょうだいとの時間を作りましょう。もしきょうだいが入院中ならば、できるだけたくさん電話したり見舞いに行ったりしましょう。手紙を書いたり絵を描いたりするのもいいでしょう。そしていつも“愛している”の言葉を忘れないように。可能なら一緒に特別な時間をとるようにしましょう。 もし以前はきょうだいとうまくいっていなかったのなら、あなたが彼らを愛していることをちゃんと伝えましょう。
・予定を立てて物事を進める。
悪い知らせがあると、自分抜きで周りが動いているような、まるで自分が別の世界にいるかのような気持ちになることがあります。ですから予定を立ててそれを守ることも大切です。
学校にちゃんと行きましょう。友だちとも会いましょう。そしていつでも必要なときは休息をとりましょう。
・希望を持つ。
明日を信じて、悪く考えすぎないようにしましょう。今はまだ、そんな気持ちになれないかもしれませんが、この世界には悪いことよりもよいことのほうがずっとたくさんあります。
・孤独に感じたら誰かに相談しましょう。
相談できる人たちがいることを忘れないでください。家族だけではなく、ソーシャルワーカーやカウンセラー、サポートグループの人たちも力になってくれるでしょう。自分の気持ちを表現することが大切です。
がんの団体も、人生のなかでもっともつらい時期を過ごしているあなたを手助けしてくれます。「自分でもっと調べたい場合」の章に、問い合わせ機関の一覧があります。
●もしもあなたのきょうだいが亡くなってしまったら?
これを読んでください:
『Gracieの治療がもう効かないと分かった夜、僕たちはみんなママのベッドに集まった。Gracieはとても賢い妹で、まだ10歳なのに僕たちを安心させようとして、いつも大丈夫と言っていた。そんなGracieを見ていると、僕たちはもっと泣きたくなった。でも心の中で、彼女のために勇気を出さなきゃって思ってた。今、僕たちはGracieの写真を見ながら彼女のことを話している。Gracieのいない生活はまだ想像もつかないけれど、少しずつ慣れていかなきゃ……と僕は思っている』--Gail,19歳
・きょうだいは記憶の中で生きています。
あなたのきょうだいは、あなたの生活の一部として生きています。楽しかった頃の記憶を大切にしましょう。亡くなったきょうだいがやったことや話したことでおかしかったことなどを思い返してもかまいません。笑ったり微笑んだりすることで、きょうだいのいた特別なあの日に、ほんの少しだけ戻ることができるでしょう。
・心の痛みは時間とともにやわらいでゆきます。
心の痛みが始めは強すぎて、もう幸せなんてくるわけがないと思うかもしれません。でも時間が心を癒してくれます。あなたが悲しみを忘れても、それは亡くなったきょうだいを忘れたわけではありません。それは、あなたが受けた心の傷が癒やされつつあるということなのです。
・みなそれぞれの方法で悲しみます。
ティーンはさまざまなやり方できょうだいの死を悼みます。泣き叫ぶ人、静かに一人ですごす人、友だちに会って話をする人、強い怒りをみせる人……。どのような方法であっても、ほとんどの場合、それで日常生活を保つことができます。死を悼む正しい方法などありません。それぞれの方法で亡くした人を悲しんでよいのです。
・あなたのきょうだいはあなたが幸せでいてほしいと思っていたはずです。
新しいことを経験してみましょう。そして人生に新たな意義を与えてくれるちょっとした変化を取り入れましょう。今回の経験や、あなたが感じていることを文字にしてみましょう。上手に書く必要なんてありません。思うままに書けばよいのです。
・人生は変わります。
以前と同じような人生ではなくなったとしても、豊かで満たされたものへと再び変わってゆくでしょう。それを信じてください。
(監修:東京大学大学院家族看護学分野 上別府 圭子)
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