2009/11/02
『主人は周囲の人に対して無理に元気にふるまうのです。両親にすら本心を隠し、大丈夫だから心配ないと言うのです。でも、私はそんな様子を見ているとイライラしてしまいます。家にいるとき、主人が元気にしてないのを知っていますから。』--介護経験者のAshley |
深刻な話題を自由に話し合えるカップルもいれば、そうでないカップルもいます。深刻な話をするときにどう感じるかは、当人同士にしか分かりません。
お互いが抱えているストレスの原因となるものには、今すぐには解決できないものもあります。そんなストレスの原因になるようなことについて、二人で時々話し合ったほうがいいでしょう。話し合うときは、次のように言ってみたらどうでしょう。「今日、これを解決できるわけじゃないのは分かってる。ただ、それがどうなっているか、そしてお互いにどう感じているかを、話し合ってみよう。」
各自が話し合うべき話題には、次のようなものも含まれるでしょう。
・今後の変化や未知のことにどのように対処するか。
・介護する側、される側としてどのように感じているか。
・二人の間や家庭での役割の変化にどのように対処するか。
・どうやってお互いのつながりを求めたいのか。
・どんな問題が二人の間にあつれきを来すと考えているのか。
・介護すること、感謝されることをどのように感じるか、または感じたいか。
・どのように相手に感謝しているか。
大切な人の病気が進行すると、二人で下さなければならない決断や、あなた一人で決めなくてはならないことなど、より具体的な問題について相談する必要がでてきます。加えて、その他に各自が今できることを話し合っておいてもよいでしょう。
●感謝の気持ちを伝えましょう
あなたのパートナーは、家庭がうまくいくように、たくさんのことをしてくれたことでしょう。しかし、今はその手助けなしにやっていかなければなりません。この大変な時期に、パートナーがしてくれているほんのささいなことに気付くことは難しいかもしれませんが、できるだけそういったことを見つけて、感謝の気持ちを伝えましょう。
実はちょっとした心遣いで、人に喜んでもらうことができるものです。パートナーに冷たい飲み物を持っていく、カードを贈る、あるいは電話をして様子を尋ねる、それだけでも愛情は伝わります。感謝の気持ちを少し表すだけで、二人とも気持ちが明るくなるでしょう。
●一緒に時間を過ごしましょう
多くのカップルは、特別な予定をたてることが二人にとってプラスになるといいます。パートナーの状態によって、何か計画するのによい日もそうでない日もあるはずです。ですから、間際に予定が変わっても気にしないようにしましょう。
気負わずに、ただ一緒の時間を過ごすだけでいいのです。例えば、ビデオを見たり、外食に出かけたり、昔撮った写真を見るなど、一緒にしたいことであれば、どんなことでもいいでしょう。二人だけだと寂しいと感じるときには、他の人たちと一緒にできる計画を立ててもいいでしょう。
●親密になる方法を探しましょう
パートナーとの性生活が今までと変わってしまったと思っている人もいるでしょう。その原因としていろいろなことが考えられます。
・パートナーが治療で疲れていたり、痛みがあったり、気分が悪い場合。
・あなたが疲れている場合。
・二人の間に距離感があったり、ぎくしゃくしている場合。
・あなた、またはパートナーが、相手の状態を見て心地よくないと感じる場合。
・パートナーを傷つけてしまうのではないかとあなたが心配している場合。
・治療によって、パートナーの性欲や性能力に影響が出ている場合。
こういった問題があったとしても、愛を確かめ合うことはできます。性生活は肉体的なものだけではなく、心の深い交わりでもあるのです。以下にあなた方の性生活を改善するいくつかの方法を挙げておきます。
・性生活について話し合ってみましょう。二人で話せる時間を選び、ただ話すことだけに集中して、どうすれば新たな関係を築けるか話し合ってみましょう。
・判断を下さないようにしましょう。パートナーが行為を行えないとき、その理由を探そうとしないでください。何を望んでいるかを言うか言わないかも、パートナーの思うようにさせてあげてください。
・機会を設ける。二人の時間を必ず取りましょう。電話やテレビのスイッチを切り、もし必要なら子どもたちを何時間か誰かに預かってもらいましょう。
・絆を深め合いましょう。肉体を伴わずとも、1時間程度、一緒にいる時間を作りましょう。例えば、音楽を聴いたり、散歩をしたりして、のんびりとしましょう。こういった時間は、改めて絆を深めることになります。
・新しい感触を確かめてみましょう。がんの治療や手術で、あなたのパートナーの身体が以前と変わってしまう場合があります。以前なら触れられて気持ちよく感じた部分が、今では何も感じなかったり、痛かったりするかもしれません。とりあえずは、二人で、どんなふうに触れあえば気持ちがいいか確かめ合ってみましょう。例えば、抱きしめたり、抱き合ったり、寄り添ったりしてみましょう。
●コミュニケーションのトラブル
コミュニケーションをうまくとるにはオープンであることと、思いやりが最も大切だという調査結果があります。介護者は、以下のような「こと」「人」に遭遇することもあります。
・いつもと違うコミュニケーションのとり方による緊張状態。
・話し方や人との交わり方に気遣いや理解がない。
・何を話せばいいか分からない人や、全くコミュニケーションをとろうとしなかったり、正直に話さない人たち。
(監修:聖隷三方原病院緩和支持治療科 森田 達也)
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