2009/10/27
あなたも患者も、死について同じように考え、恐れているのではないでしょうか。お互いを傷つけたくないと思うのは無理もないことです。しかし、死について語ることで誰かが実際に亡くなるわけではなく、逆に心に秘めることで長生きできるわけでもありません。
大切な人が長く生きられる可能性や、奇跡的に回復する望みを持ちながらも、現状や先行きの不安な気持ちについても話し合っておくべきです。本音を語らないのは精神的にもよくなく、重要な話題を避けていると、後々さらに話しづらくなります。話し合ってみると二人とも同じことを考えていたとか、全く違った考えを持っていたということが分かるでしょう。だからこそ率直に話し合うことが大切なのです。気がかりなことを話し合ったほうが、あなたや大切な人、そして周りの人たちの心の負担がずっと軽くなります。
意思の疎通をはかるには、聞き役になるのが一番良い場合もあります。じっと話を聴くことが、あなたがその人のためにそこにいることを示す一つの手段である場合もあります。また、そうすることが、あなたにできる一番役立つことかもしれません。パートナーの言いたいことがなんであれ、親身になることが大切です。がんであるのは大切な人自身であり、本人の命の問題なのです。患者の気持ちや恐れを整理するのは、本人の心の準備ができたときに、本人に合ったやり方ですべきです。大切な人に、抱えている悩みついて考える気持ちがあるかどうか、そして別の機会に話す気持ちがあるかどうかを、いつでも尋ねてみてください。もしかすると、本人はその話題を他の誰かに相談したいと思っているかもしれません。
(監修:聖隷三方原病院緩和支持治療科 森田 達也)
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