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がん臨床研究のABC-Z

2019/2/8

第19回

臨床研究に参加したら、効果が少ないと予想される群で治療することになりました。どうしたら良いでしょうか?

 ご心配でしたら、主治医の先生と相談して臨床研究への参加を取りやめることが出来ます。そのような場合でも、現在最も良いと思われる治療を受けることが出来ます。参加を断ってもあなたに不利になるようなことはありません。

 臨床研究では効果が高いと予想する新治療と、従来からある標準的な治療法を科学的に比較しています。臨床研究で結果が出るまでは、新治療の効果が本当に良いのかは分かっていません。予想通りに新治療の効果が良いと言う結果が得られることはむしろ少ないのです。臨床研究の成果は次世代の同じような病態の患者さんの利益になりますが、参加した患者さんの直接的な利益にならないことをご承知おき下さい。

 結果として新治療の効果が良ければ、新治療群で治療された患者さんの利益になることがありますが、新治療の効果が従来の標準的な治療に勝ることが無ければ、従来通りの治療が行われた患者さんの利益になることがあります。このように、無作為比較試験は、試験に参加する患者さんの自主的な意思に支えられて成立していることをご理解下さい。

 次回は「臨床研究の成果に用いられている統計学的有意差とは何でしょうか?」です。


藤井 雅志(ふじい まさし)氏
特定非営利活動法人日本がん臨床試験推進機構(JACCRO)臨床試験委員長
前日本大学医学部医学部消化器外科学 教授、1975年日本大学医学部卒

連載で「臨床研究」に関する情報をお届けしたいと思います。
簡単な自己紹介を致します。消化器外科医ですが、主にがんの化学療法を担当しています。現在「NPO法人日本がん臨床試験推進機構:通称JACCRO」に所属して、主に消化器がんの臨床研究を行っています。私が医師になった昭和50年代は外科医が主にがんの化学療法を行っていました。胃がんばかりでなく、乳がん、大腸がんの化学療法も外科医の守備範囲でした。後になって「外科医の片手間の化学療法」と揶揄されるようになったのですが、当時は目の前にいる切除不能胃がん、再発胃がんを診ていただける腫瘍内科がまだ無い時代でしたので、われわれ外科医が化学療法をせざるを得ませんでした。現在でも多くの外科医が癌の化学療法の一端を担っています。

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