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がん臨床研究のABC-Z

2019/1/11

第17回

臨床研究に参加して健康被害が生じた場合に補償はありますか?

 がんの臨床研究では有害事象(副作用)が発生する可能性があります。有害事象が発生した場合には、主治医は適切な治療、その他必要な措置を含めた最善の治療を行います。臨床研究で使用された薬剤が保険適応で認められた薬剤であれば、有害事象の治療などは保険診療により行われ、患者さんは健康保険で定められた自己負担が必要です。また、お見舞金や各種手当などの金銭による補償はありません。医療事故などの過失によって健康被害が生じた場合には、「臨床研究保険」により補償が行われます。

 従来、臨床研究を行う場合には研究代表者は「臨床研究保険」への加入が義務づけられていました。ただし、がんの臨床研究については元々侵襲性が高い治療の研究ですので、臨床研究保険への加入は免除されていました。

 しかし、「臨床研究法」が施行され、臨床研究の内容が通常の診療を越える医療行為(未承認薬剤、効能外、用量外使用、高度の侵襲など)を伴う場合、がんの臨床研究であっても、研究実施者は「臨床研究保険」への加入が義務づけられ、医療事故などの過失によって健康被害が生じた場合に「臨床研究保険」により補償が行われるようになりました。この場合はその内容が説明文書の中に書かれていて、参加者が研究に同意することによって補償が行われます。

 次回は「多施設共同研究とは何でしょうか?」です。


藤井 雅志(ふじい まさし)氏
特定非営利活動法人日本がん臨床試験推進機構(JACCRO)臨床試験委員長
前日本大学医学部医学部消化器外科学 教授、1975年日本大学医学部卒

連載で「臨床研究」に関する情報をお届けしたいと思います。
簡単な自己紹介を致します。消化器外科医ですが、主にがんの化学療法を担当しています。現在「NPO法人日本がん臨床試験推進機構:通称JACCRO」に所属して、主に消化器がんの臨床研究を行っています。私が医師になった昭和50年代は外科医が主にがんの化学療法を行っていました。胃がんばかりでなく、乳がん、大腸がんの化学療法も外科医の守備範囲でした。後になって「外科医の片手間の化学療法」と揶揄されるようになったのですが、当時は目の前にいる切除不能胃がん、再発胃がんを診ていただける腫瘍内科がまだ無い時代でしたので、われわれ外科医が化学療法をせざるを得ませんでした。現在でも多くの外科医が癌の化学療法の一端を担っています。

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