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がん臨床研究のABC−Z

2018/12/7

第16回

臨床研究に参加すると医療費の負担が増えますか?

 原則として医療費の負担が増えることはありません。ただし、臨床研究では患者さんの安全を守るためや正確なデータを取得するために、同じ治療を日常臨床で行った場合に比べて通院回数が増えると感じることがあります。

 がんの臨床研究では効果と共に安全性も観察されます。効果については決まった時期に画像診断や腫瘍マーカーの測定などが行われます。安全性については、問診、血液検査などを決まった間隔で行うように研究計画書に明記され、参加医師は計画書に沿って治療や検査を行います。検査などのスケジュールは説明同意文書に明確に記すようになっています。臨床研究で行っている定期的な診察、検査は患者さんの安全を守る正しい方法と考えて良いでしょう。

 臨床研究では付随した研究のために、日常診療より多くの量の血液を採取することがありますが、この場合の医療費の負担増はありません。一方、通常診療より通院回数が増える研究計画もありますが、この場合は医療費の負担は確実に増えることになります。このようなことは、説明同意文書に「参加する患者さんの不利益になること」として明確に説明するようになっています。

 次回は「臨床研究に参加して健康被害が生じた場合に補償はありますか?」です。


藤井 雅志(ふじい まさし)氏
特定非営利活動法人日本がん臨床試験推進機構(JACCRO)臨床試験委員長
前日本大学医学部医学部消化器外科学 教授、1975年日本大学医学部卒

連載で「臨床研究」に関する情報をお届けしたいと思います。
簡単な自己紹介を致します。消化器外科医ですが、主にがんの化学療法を担当しています。現在「NPO法人日本がん臨床試験推進機構:通称JACCRO」に所属して、主に消化器がんの臨床研究を行っています。私が医師になった昭和50年代は外科医が主にがんの化学療法を行っていました。胃がんばかりでなく、乳がん、大腸がんの化学療法も外科医の守備範囲でした。後になって「外科医の片手間の化学療法」と揶揄されるようになったのですが、当時は目の前にいる切除不能胃がん、再発胃がんを診ていただける腫瘍内科がまだ無い時代でしたので、われわれ外科医が化学療法をせざるを得ませんでした。現在でも多くの外科医が癌の化学療法の一端を担っています。

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