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がん臨床研究のABC−Z

2018/10/26

第13回

研究の質の担保、透明性の確保とは何ですか?

 臨床研究が倫理委員会で承認されると、患者さんへの参加呼びかけが始まり、臨床研究が開始されます。臨床研究が正しく行われているか、研究施行中にチェックすることを「モニタリング」と言い、症例集積が終了し、結果が出てから研究が研究計画書通りに行われたかをチェックすることを「監査」と言います。なぜモニタリングや監査を行うのかと言えば、第一に患者さんの安全を守るため、第二にデータの抜け(欠落)が無いかなどの研究の質、研究の信頼性を高めるため、第三には説明同意書などが保存されているかなどの倫理指針の遵守状況やその他の研究法案の遵守状況を確認するためです。

 さらに、モニタリングや監査を実施し研究内容の不備を伝えることで、研究責任者や研究分担者の臨床研究への教育になります。モニタリングには研究事務局などで行う中央モニタリングなどがあり、監査は研究とは関係のない部外者を予め指定して行われます。モニタリング・監査の実際の方法については、以後の連載で詳しく説明します。

 臨床研究の透明性の確保とは、研究が製薬会社の資金提供によって歪められていないかなど研究の資金源を明らかにする、製薬会社と研究者の間の利益相反を公表する、臨床研究を承認した倫理委員会の委員会名簿や議事録を公開する、臨床研究を公開型のデータベースに登録して閲覧出来るようにする――などが行われています。利益相反、データベースの詳細などについては改めて説明します。

 次回は「利益相反とは何でしょうか?」です。


藤井 雅志(ふじい まさし)氏
特定非営利活動法人日本がん臨床試験推進機構(JACCRO)臨床試験委員長
前日本大学医学部医学部消化器外科学 教授、1975年日本大学医学部卒

連載で「臨床研究」に関する情報をお届けしたいと思います。
簡単な自己紹介を致します。消化器外科医ですが、主にがんの化学療法を担当しています。現在「NPO法人日本がん臨床試験推進機構:通称JACCRO」に所属して、主に消化器がんの臨床研究を行っています。私が医師になった昭和50年代は外科医が主にがんの化学療法を行っていました。胃がんばかりでなく、乳がん、大腸がんの化学療法も外科医の守備範囲でした。後になって「外科医の片手間の化学療法」と揶揄されるようになったのですが、当時は目の前にいる切除不能胃がん、再発胃がんを診ていただける腫瘍内科がまだ無い時代でしたので、われわれ外科医が化学療法をせざるを得ませんでした。現在でも多くの外科医が癌の化学療法の一端を担っています。

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