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レポート

2021/08/03

第6回日本がんサポーティブケア学会学術集会より

複雑な疾患「がん悪液質」との戦い方

新薬アナモレリンと栄養・運動を組み合わせて健康寿命の延長を目指す

中西美荷=医学ライター

 がん患者の約8割は食事が摂れずにやせていく「悪液質」(あくえきしつ)を経験し、生存期間の短縮につながっている。悪液質は古くから肺結核や心臓病などの慢性疾患に合併することが知られ、さまざまな治療法が試みられてきたが、複数の原因が発症に関わり診断も治療も難しいため、これまで確立された治療法はなかった。しかし今年1月、経口グレリン様作用薬アナモレリン(商品名:エドルミズ)が、「がん悪液質」の治療薬として世界に先駆けて日本で承認された。

 2021年5月29日から6月30日までWEB形式で開催された第6回日本がんサポーティブケア学会の教育講演「がん悪液質治療の過去、現在と未来」では、静岡県立静岡がんセンター呼吸器内科の内藤立暁氏が、がん悪液質に対する新旧の臨床研究をまとめるとともに今後の治療の方向性を展望した。


悪液質と人類の付き合いはきわめて長い

 慢性疾患によって痩せるという現象は、洋の東西を問わず古くから知られていた。たとえば古代ギリシャのヒポクラテス(460BC-370BC)は、心臓病で痩せ衰えていく患者の姿を「まるで筋肉が水になって溶けていくようだ」と表現し、これを死の兆候「カケキシア」(cachexia、悪液質)と記した(Br Heart J 24 257-264, 1962)。古代中国の医学書「黄帝内径」(約2000BC)にも、炎症性の慢性疾患によって筋肉が萎え衰え、やがて立てなくなる病として「痿病」という疾患が記載されている(南京中医学院医経教組編, 石田秀実訳, 黄帝内経素問 現代語訳 中巻.  東洋学術出版社 1992)。また中東ペルシアでは、中世の名医イブン・スィーナー(またはアヴィセンナ、980-1037年)が、加齢とともに食欲が落ち、やせていく病を「Degh」と記述している。

 「これらの疾患はすべて、現代の悪液質と同じものを見ていたのではないか」と内藤氏は話す。

 日本では「虚労」(きょろう)と呼ばれる疾患に悪液質が含まれていたと考えられる。平安時代に書かれた日本最古の医学書「医心方」(いしんほう)第十三巻虚労篇の中に、肺結核による悪液質と思われる患者の臨床像が記されている(丹波康頼撰, 槙佐知子 全訳精解,  医心方 巻13 虚労篇, 筑摩書房 2010)。今日みられる「がん悪液質」の患者の姿そのものだという。「長い間咳が続き、どんどん痩せてゆく、飲食をあれこれ想像するが多く食べられず、寝ていることが多く長く歩けない、次第に衰弱しているが水が涸れた池の魚のように死期が近いことに気づかず」――というものだ。

 江戸時代の医師たちに最も普及した処方集「古今方彙」(ここんほうい、甲賀通元著、1692、国文学研究資料館所蔵)には、「虚労」という章があり、30種以上の漢方薬の使い分けが記載されている。補中益気湯、人参養栄湯など、いわゆる補剤(漢方医学で気や血が足りない場合に、これを補って調整する薬剤)が用いられていたようだ。「わが国ではこれら虚労に対する豊富な薬物療法や養生法が、さまざまな疾患の悪液質に応用されてきたという歴史があると考えられる」と内藤氏は説明した。

「悪液質」「悪液病」という言葉が用いられるようになった江戸時代

 では「悪液質」の語源はどこにあるのか。内藤氏は日中の医学書に通じた専門家の力を借りて語源を調べた。すると、実は江戸時代後期になるまで日本の医学書に「悪液質」という言葉は使用されていなかったことがわかった。

 どうやら「悪液質」は、オランダ医学書の翻訳語として生まれたらしい。確認できるもっとも古い文献は、津山藩の蘭学医、宇田川玄随(1756-1798年)が出版した「西洋内科撰要」であった(宇田川玄随 宇氏秘笈 西洋内科撰, 1793. 国立国会図書館デジタルコレクション)。この本はオランダの内科の総合医学書(Simple Guideline on a Variety of Internal Disorders, ヨハネスデゴルテル著, 1744. 早稲田大学図書 古典籍総合データベース文庫)の翻訳である。玄随は原著の「cachexia」を、カタカナで「カケキシャ」と記し、「悪液の病」と翻訳していた。また玄随は「悪液の病」は日本における虚労に該当する疾患であることを理解していた。ここに、西洋のcachexiaという概念と東洋の虚労という概念が融合することとなった。

 それから約半世紀後、緒方洪庵(1810-1863年)が手がけた翻訳書の一つ「扶氏経験遺訓」(緒方洪庵 扶氏経遺 1857. 東京大学医学図書館デジタル史料室, 原著はC.W.フーヘランド著 Enchiriidon medicum oder Anleitung zur medicinischen Praxis)では、ドイツ語の「Kachexia」という言葉が「悪液病」と翻訳された。

 「この2人が翻訳した西洋の内科医学書は、日本国内で広く普及したため、以後cachexiaの翻訳語として、悪液病、悪液質という言葉が定着したのではないか」と内藤氏は話した。

 このように、悪液質という疾患は古くから知られていたものの、治療のみでなく診断基準も定まっていなかった。悪液質全般の診断基準が整理されたのは2008年のことである(Evans基準:Clin Nutr. 2008; 27(6): 793-9)。また、悪性疾患に伴う悪液質であるがん悪液質(cancer cachexia)については、2011年にEPCRC(European Palliative Care Research Collaborative)のコンセンサス(Fearon基準:Lancet Oncol. 2011; 12(5): 489-95)がガイドラインとして報告され、この基準が今でも用いられている。

がん患者の直接死因で最も多いのは「がん悪液質」

 では、がん悪液質は、どのように定義されているのだろうか。EPCRCコンセンサスによれば、「悪性腫瘍を有する患者において通常の栄養サポートでは完全に回復することができず、骨格筋量の持続的な減少を特徴とし、進行性の機能障害にいたる、多因子性の症候群」とされている。

 「がんを有しているだけで、ダイエットしているわけでもないのに体重が減ってしまう。特に筋肉がやせて、歩けなくなるような状態というのが、このがん悪液質の病態ということになる」(内藤氏)。

 がん悪液質に関して、最初期の1932年の報告(The American Journal of the Medical science. Nov 1932)によれば、がん患者500人を解剖したところ、直接死因として肺炎、腎不全、腹膜炎など目に見える原因よりも、「全く原因がみつからない、ただ痩せているだけ」という悪液質が最も多かった。

 「疾患というのは、大きく機能的疾患と器質的疾患に分けられるが、がん悪液質は慢性疾患に伴う負の代謝異常で、その病因を病理診断や画像診断で肉眼的に確認することができない機能的疾患であるというところが、非常に大事なポイント」と内藤氏は指摘した。

発症リスクはがんの種類によって異なる

 がん悪液質の発症リスクは、がんの種類によって異なる。前立腺、乳腺、血液がんなど、がん悪液質の発症が終末まで起きにくいがんもあるが、消化器がん、頭頸部がん、肺がんなどは診断時から悪液質の頻度が高く、進行がんでは半数以上の患者に上るとの報告もある(JPEN J Parenter Exteral Nutr. 2014; 38(2): 196-204.、Nat Rev Dis Primers. 2018; 4: 17105)。

 EPCRCのガイドラインでは、悪液質は前悪液質(Pre-cachexia)から悪液質(cachexia)、そして不応性悪液質(Refractory cachexia)へと進む。悪液質の診断基準は「5%を超える体重減少、2%を超える体重減少+BMIが20未満または骨格筋減少」とされているが、前悪液質、不応性悪液質の明確な基準は定まっていない。また、早期に診断して集学的治療をすることが必要とされているが、その方法は確立されていない。

 一方で、がん悪液質は予後に関わることが明らかになっている。たとえば進行肺がんで抗がん薬治療を始める患者406人を対象に、予後と体重減少の関連を検討した前向き観察研究(JNUQ試験)では、体重減少の程度(四分位で分けた2.3%以下、6.1%以下、10.9%以下、10.9%超の4群を比較)が大きいほど生存率が低くなった(Support Care Cancer. 2016; 24(8): 3495-505)。がんの治療が進んだ現代においても、体重低下が予後に影響を与えることについて内藤氏は、「悪液質が、現代医学においていかに未解明で未開の領域であるかを示している」と話した。

 がん悪液質はまた、身体機能を低下させる、すぐ要介護になる、生活の質が低下する、抗がん治療に耐えられない、生存期間が短いだけでなく在院日数が長く医療費がかさんでしまうなど、がん患者にさまざまな影響を及ぼすことも明らかになっている。

ガイドラインで推奨されている治療法がほとんどない

 2020年に米国臨床腫瘍学会(ASCO)のガイドライン(J Clin Oncol. 2020; 38(21): 2438-2453)、2021年に欧州臨床腫瘍学会(ESMO)のガイドライン(ESMO Open. 2021: 6(3): 100092)が発表されたが、治療についてはガイドラインで推奨されているものがほとんどなかった。

 たとえばエビデンスにもとづくASCOのガイドラインでは、栄養療法に関して、栄養カウンセリングを行うことを推奨(エビデンスの強さlow、有用性moderate)し、中心静脈栄養法(TPN)は感染症合併の増加と関連しているとして行わないことを推奨している(エビデンスの強さlow、有用性low、害Moderate to high)。「最も基本的な介入である栄養療法についても、この程度のエビデンスしかない」と内藤氏は説明した。

 薬物療法では、プロゲステロンのアナログ(類似物質)が食欲、体重を増やし、QOLを改善するとされるが、体重増加は脂肪の増加によるもので骨格筋は増えない。また血栓症や浮腫といった毒性もあることから標準治療とはなっていない。コルチコステロイドは食欲を増進することがわかっているが、長期使用に伴い有効性は低下し、毒性も問題となる。

 今回発売されたアナモレリンも、海外ではまだ臨床試験中で未承認のため、ASCOガイドラインでは推奨に至っていない。有望な薬物としては他に、ランダム化第2相試験において、嘔吐スコア、嘔吐回数、吐き気止め使用が改善し、忍容性も良好であると報告されているオランザピン(JAMA Oncol.2020; 6(6): 895-899)や、アンドロゲンの有用性が検証されている。

 一方、TNF阻害薬、ヒドララジン硫酸塩は、毒性があり生存期間を短くする可能性があるとして、用いないことが推奨されている。

薬物療法で筋肉量は増加しても機能は改善しない

 このような歴史や現状において、「今年1月、世界で初めて、日本においてアナモレリンが、がん悪液質に特化した治療薬として承認されたということは、歴史的な出来事である」と内藤氏は話した。

 アナモレリンは、日本人の非小細胞肺がん患者172人を対象とする治験において、食欲のスコアの有意な改善と骨格筋量の指標である除脂肪体重の増加が示されている(Supoprt Care Caner. 2016; 24(8): 3495-505、Cancer. 2018; 124(3): 606-616)。

 「ただ、知っておかなくてはいけないのは、薬剤で骨格筋を増やすことができたとしても、身体機能を改善することはできないことである」と内藤氏は指摘する。体重増加については、アナモレリン以外のいくつかの薬剤の臨床試験でも示されているが、いずれも身体機能の改善は認められていない。

 「肝心なのは運動療法」と内藤氏は話す。しかし運動療法は、現状ではエビデンスになるような論文がないとして、ASCOガイドラインでは推奨されていない。薬物療法のエビデンスの蓄積と同時に非薬物療法のエビデンスをどう構築していくか、これらをどう組み合わせるかが課題となっている。

多職種による集学的治療に期待

 では今後、がん悪液質治療では、何を目指すべきなのか? 内藤氏は、まず診断基準の明確化が必要だと指摘した。

 ESMOのガイドラインは、2011年のEPCRCのガイドライン(Fearon基準)を踏襲している。しかし、「たとえば前悪液質の診断基準として記載されている全身炎症(systemic inflammation)とは一体何なのか、metabolic changeの定義は何かが明確ではない。また不応性悪液質の診断基準としての化学療法不応性とは、一体どういうことを指すのか。さらに、実地医療の中で本当に骨格筋測定が必要かどうかなどについても、今後、きちんと結論を出していかなければいけない」と内藤氏は話す。

 現在、国際診断基準、病期診断を見直すプロジェクトが進んでおり、日本からは内藤氏と国立がん研究センターの天野晃滋氏が参加している。

 これとは別に、日本でも臨床研究が進められている。がん悪液質は、標的が絞れない機能的疾患で、多臓器・多要因が関わる疾患であるため、多方面からのアプローチが必要である。集学的治療(薬物治療+非薬物治療)の開発が重要となるが、内藤氏は、病態生理をみなおし、「病態生理のひとつ一つが、介入の対象になる」として、集学的治療のモデル(案)を提唱している(Asia Pac J Oncol Nurs. in press)。

 がん悪液質における体重減少の中心には、組織(脂肪、骨、筋肉)が消耗していくという代謝異常がある。それを修飾する症状として、味覚障害あるいは嗅覚障害があり、これはがん悪液質そのものによっても生じるし、がん治療によっても生じるという。そして摂食に影響する症状(Nutrition impact symptoms:NIS)が、摂食量の減少を起こし低栄養を助長する。

 一方、内藤氏が「Physical impact symptoms(PIS)」と呼ぶのは、「身体活動を妨げる一連の症状」のことである。PISにはがんそのものや、がん治療による疲労感、呼吸困難や突発性の下痢といった外出を妨げるような症状、あるいは手術や入院による強制的な安静が含まれている。PISによる身体不活動はさらなる身体機能の障害を起こし、どんどん歩けなくなっていくという悪循環を生む。

 こうした低栄養、身体機能障害を背景にして、患者は心理的負担の中に置かれていく(心理社会的負担)。食べられないことによる苦悩、引きこもり社会的に孤立してゆく苦悩、痩せて外見が変わってしまうことによる苦悩などがあり、このことがQOLを低下させてゆく。こうした身体的・心理的な消耗が重なると、いずれ要介護状態となり、その後の生存期間も短くなってしまう。

 現時点で行うことのできる治療介入として、代謝障害に関しては、医師による薬物治療以外にできることはあまりない。摂食に影響する症状については、症状コントロールが重要で、栄養士が栄養カウンセリングを行うことで、摂食量が増えたり栄養の質が高くなることが期待できるという。

 身体活動を妨げる症状については、症状コントロールや、理学療法士による歩行指導、「仕事をやめないように、趣味をやめないようにして外出、活動を増やしましょう」という医師や看護師の呼びかけも重要となる。低栄養に対してはサプリメントを活用する。そして身体機能障害が起きてしまった場合には、やはり適切な運動処方が必要で、そのためには医師や看護師による運動を継続する動機付けが重要となる。

 心理的ストレス(心理社会的負担)に関してはコーピング(指導)、動機付けのための対話による介入が、患者だけではなく介護者に対しても必要だという。必要に応じて専門家(心理療法士、精神科医)にコンサルトするのは、医師の役割となる。

身体機能とQOLの改善・維持、健康寿命の延長を目指すプロジェクトNEXTAC

 この集学的治療のモデルを具現化するために行われている研究が、NEXTAC(Nutrition and EXersise Treatment for Advanced Cancer)プロジェクトである。平成28年度日本医療開発機構(AMED)の助成を受けて行ったNEXTAC-ONE「高齢進行非小細胞肺がん/膵がんに対する早期栄養・運動介入の安全性・忍容性」は、担がん高齢者でも安全に実施できる栄養・運動療法を確立すべく行われた試験で、次のNEXTAC-TWOでは実際に健康寿命(自立した生存期間)を延ばすことを検証した。

 栄養療法として、食事内容のカウンセリング、食に関する悩み・食環境の問題のチェック、NIS(粘膜炎、味覚障害、食欲不振など)の自己管理に関するカウンセリングと、BCAA(バリン、ロイシン、イソロイシンの3つの必須アミノ酸の総称)が豊富なサプリメントの補充を行う。

 運動療法は、在宅で患者自身が下肢筋を中心とするトレーニングを毎日10回ずつ3セット行い、日記として記録するとともに、理学療法士による歩行法指導を行う。

 身体活動介入は、万歩計を持って目標の歩数を設定すること、屋外活動を増やすカウンセリングをして外出を妨げる症状をコントロールすること、転倒リスクを減少させるような転倒予防策を講じるという、3本柱で成り立っている。

 NEXTAC-ONEにおける患者の栄養・運動の授業への参加率(6回中4回以上)は96.7%(29/30人)と極めて良好で、このような介入を行なった結果、7〜8割の患者が外出活動を増やすという行動変容に繋がった(J Cachexia Sarcopenia Muscle. 2019; 10(1): 73-8)。「教育と介入が、うまくいくということが示されたことが、とても大事だと思う」と内藤氏は話した。

 2021年春には、次のステップであるNEXTAC-THREE試験「高齢者進行非小細胞肺がん/膵がんにおけるがん悪液質を対象とした栄養・運動療法とアナモレリン塩酸塩の併用療法の多施設共同ランダム化第II相試験(NEXTAC-III試験)」がAMEDで採択された。

 仮説は、「アナモレリンという薬を使ってドーピングすることにより蛋白同化をして筋肉を増やし、良質のプロテインを摂取して(栄養療法+BCAA)、地道にトレーニング(運動療法)すれば、進行がんを持つ高齢者でも身体機能を改善できる」というものである。内藤氏は、「飾りだけの筋肉ではなくて、機能する筋肉を得るための介入として3つを併用する」と説明する。

 対象はがん悪液質のあるPS 0-1(臨床病期III/IV期)の70歳以上の高齢者で、新規に化学療法を予定している患者である。コホート1は非小細胞肺がんでドライバー遺伝子変異のない60名を、標準治療+アナモレリン100mg/日と、標準治療+アナモレリン100mg/日+栄養・運動療法(NEXTAC)に割り付け、12週間の介入を行う。主要評価項目は臨床的に意義ある歩行障害(6分間歩行距離が40m以上減または実施不可)の発生率である。コホート2においては、膵がんの2次治療を対象として、試験治療の忍容性を検討する。

 「このプロジェクトが成功すれば、がん悪液質治療は、薬物療法だけではなく運動療法、栄養療法を組み合わせていく戦略が広がってゆくだろう。薬物療法としては今後、代謝改善の薬剤だけではなく、抗炎症薬もおそらく何か必要になる見込みだ。こうした多職種による治療を確立し、身体機能とQOLの改善・維持を目指す。そして最終的には、がん患者さんの生存期間、健康寿命を延ばすということが、がん悪液質治療の将来像ではないかと考えている」と内藤氏は話した。

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