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レポート

2020/09/08

がんに負けないお金の話Vol.10

がん体験者が入れる「引受基準緩和型医療保険」の選び方

福島安紀=医療ライター

 がんの治療が一段落した後でも、病気や事故などで入院するリスクがある。がんの体験者が、治療が終わった後で医療保険に入りたい場合、加入できる保険にはどんなものがあって、どうやって選べばよいのだろうか。生命保険や医療保険に詳しい家計アイデア工房代表のファイナンシャルプランナー(1級ファイナンシャル・プランニング技能士)、柳澤美由紀氏が解説する。



「引受基準緩和型医療保険」で検索し加入条件確認を

 「一般的に、がんの治療がすべて終わって10年を超えれば、持病のない健康な人と同じような医療保険に加入できます。ただ、すべての治療が終わってから10年以上、医療保険がないというは不安だという人も多いのではないでしょうか。治療が終わってから10年経っていないがん体験者の方が入れる可能性があるのは、いわゆる、持病がある人でも入れる、引受基準緩和型医療保険です」。柳澤氏は、そう説明する。

家計アイデア工房代表の
柳澤美由紀氏

 引受基準緩和型医療保険は、加入条件を通常よりも緩やかにして入りやすくした医療保険だ。保険会社が設定している加入条件を満たせば、がん体験者でも加入できるが、保険料は一般的な医療保険より高い。

 「加入条件は、保険会社や保険商品によって異なります。『引受基準緩和型医療保険』で検索してみて、自分が加入条件をクリアできそうなものの中から、保険料が安いものを選べばよいのではないでしょうか」と柳澤氏はアドバイスする。

 試しに、インターネットで検索してみると、保険代理店の比較サイトも表示された。保険会社のサイトの中で上位に出てきたのは、オリックス生命の引受基準緩和型医療保険「キュア・サポート・プラス」だった。この医療保険は、下記の1~3のすべてが「いいえ」なら加入できる(引受基準緩和型がん一時金特約、引受基準緩和型重度三疾病一時金特約、特定疾病保険料払込免除特則付きの契約を除く)。

1. 最近3か月以内に、医師から入院・手術・検査のいずれかをすすめられたことがありますか。
2. 過去2年以内に、病気やケガで入院したこと、または手術をうけたことがありますか。
3. 過去5年以内に、がんまたは上皮内新生物・肝硬変・統合失調症・認知症・アルコール依存症で、医師の診察・検査・治療・投薬のいずれかをうけたことがありますか。

 上皮内新生物とは、上皮細胞から発生するがんのうち、がん細胞が臓器の表面を覆っている上皮内がんにとどまっているもの。つまり、胃がん、大腸がん、食道がん、乳がん、子宮頸がんなどの上皮内がん、子宮頸がんの高度異形成のことだ。なお、3の「診察・検査」には、がんや上皮内新生物の治療終了後の経過観察を目的とした診察・検査は含まれない。

がんの診断から5年経っていれば入れる医療保険も

 治療がすべて終了してから5年経っていない人でも入れる医療保険もある。例えば、FWD富士生命の引受基準緩和型医療保険「ゴールド・メディ・ワイド」は、がんの診断を受けてから5年経っていれば、ホルモン剤や抗がん剤を服用していたとしても、下記の(1)~(3)の3つがすべて「いいえ」なら加入できる。

(1)最近3か月以内に、医師により、入院・手術を勧められたことがありますか?
(2)過去2年以内に、病気やケガで入院をしたこと、または手術をうけたことがありますか?
(3)過去5年以内に、がん(白血病、肉腫、悪性リンパ腫などの悪性しゅよう、上皮内がんを含みます)、肝硬変、慢性肝炎と医師に診断されたことがありますか?

 メットライフ生命の引受基準緩和型医療保険「フレキシィ ゴールドS」も、がんの診断や入院、手術から5年以上経っていて、1年以内に病気やけがで入院・手術を受けておらず、3か月以内に入院・手術、がんや上皮内新生物の疑いで再検査・精密検査を勧められていなければ、加入が可能だ。

加入後1年以内は給付金が50%になる引受基準緩和型医療保険が多い

 医療保険を選ぶポイントはほかにもある。

 「医療保険は、条件をクリアして加入できれば、加入後に万が一、以前治療を受けたがんが再発したり、他のがんになったりした場合でも保険金が支払われます。ただ、注意したいのは、引受基準緩和型医療保険には加入後1年以内に病気やけがで入院したときに保険金が50%しか支給されないものがあることです。例えば、入院時に1日5000円、入院手術に5万円出る医療保険でも、加入後1年以内に入院や手術をした場合には保険金の支払いが入院時2500円、手術時2万5000円になるわけです。1年目から全額保険金が出る引受基準緩和型医療保険も少しずつ増えてきているので、保険料と保障内容と合わせて、保険金の減額期間の有無も確認しましょう」と柳澤氏話す。

 ちなみに、前述のFWD富士生命の「ゴールド・メディ・ワイド」は加入後1年間50%給付型、オリックス生命の「キュア・サポート・プラス」とメットライフ生命の「フレキシィ ゴールドS」は減額期間がなく1年目から全額給付型だ。

 保険会社によって保障内容は異なるが、ほとんどの医療保険の主契約は入院給付金と手術給付金がセットになっている。それに加えて、「放射線治療給付金」、「先進医療給付金」などがついている保険もある。

 先進医療は、厚生労働省に指定され、有効性や安全性が検討されている保険診療外の新しい治療のことだ。一緒に提供された診療費や入院費などには健康保険が使えるが、先進医療の技術料は全額自己負担になる。例えば、現在先進医療の対象になっている陽子線治療や重粒子線治療には約300万円かかる。「先進医療特約」はつけたほうがよいのだろうか。

 「治療の選択肢が広がるという意味で、私は、先進医療特約はつけておいたほうがいいのではないかと考えています。引受基準型医療保険で先進医療特約をつけた場合の保険料は月200円前後プラスされる程度で、それほど保険料が高く上がらないのも利点です」と柳澤氏は語る。

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