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レポート

2020/01/28

がんに負けないお金の話 Vol.4

徐々に増える小児・AYA世代のがん患者への助成

福島安紀=医療ライター

国立がん研究センター
東病院の坂本はと恵氏

40歳未満のがん患者の在宅療養費を助成する自治体も

 一方、もう1つ、自治体のAYA世代のがん患者の支援策として徐々に広がってきているのが、小児・AYA世代が在宅療養をする際の費用を助成する制度だ。

 40歳以上のがん患者は、回復の見込みがない末期と診断され介護保険認定を受ければ、訪問介護サービス、訪問入浴サービス、福祉用具の貸与などが、1~3割の自己負担で利用できる。しかし、40歳未満のAYA世代は介護保険が使えず、自宅で療養する際に、介護用ベッドや訪問介護サービスを利用しようとすると、自己負担が高額になる。

 小児・AYA世代のがん患者の支援として、回復の見込みがない段階になったときの在宅療養の費用を助成しているのは、神奈川県横浜市、静岡県熱海の熱海市・御殿場市・小山町・富士市・焼津市・藤枝市・牧之原市・吉田町・菊川市・袋井市・磐田市、兵庫県神戸市、愛知県名古屋市、福岡県久留米市などだ。鹿児島県も市町村と協働で、若年末期がん患者に対する療養支援事業を実施しており、鹿児島市、いちき串木野市、垂水市、日置市、鹿屋市などほとんどの市町村がこの事業を実施している。

 例えば、名古屋市は、在宅ターミナルケア支援事業として、20~39歳のがん患者で回復の見込みがないと診断された場合に、訪問介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、生活援助型配食サービス、車椅子や介護用ベッド、歩行補助杖、移動用リフトなどの福祉用具の貸与にかかる費用の自己負担の9割を、1カ月6万円を上限に助成している。腰掛便座、簡易浴槽などの福祉用具の購入にかかる費用(上限年10万円、患者負担1割)、手すりの取り付けや洋式便座への取り替え、段差の解消など住宅改修にかかる費用(上限20万円、患者負担1割)も助成の対象だ。
 
 静岡県や鹿児島県で若年末期がん患者に対する療養支援事業を実施している市町村の場合は、20~39歳だけではなく、0~19歳も対象になっている。例えば、鹿児島市では、回復の見込みがないと診断された場合、0~19歳は訪問介護・訪問入浴介護といった居宅サービスが月5万円を上限に自己負担1割で受けられる。20~39歳も居宅サービスや福祉用具の貸与を自己負担1割で受けられ、支給上限額は月8万円だ。福祉用具の購入にも1人5万円を上限に補助が受けられる。

 「介護ベッドなどの福祉用具に関しては、年齢に関わらず、自治体や社会福祉協議会、民間事業者などが、5000円程度など比較的低料金で貸し出している場合があります。福祉用具を借りたいなど、がんの治療を受けている病院の相談窓口や最寄りのがん診療連携拠点病院のがん相談支援センターへ問い合わせてみてください」と坂本さん。

 ただ、小児・AYA世代のがん患者への妊孕性温存療法費用、在宅療養費用の助成は、まだ一部の自治体に限られ、地域格差があるのが現状だ。こういった助成制度が全国の都道府県や市町村に広がり、小児・AYA世代のがん患者が金銭的な理由で、生殖医療の温存や在宅療養をあきらめなくて済むような環境が整うことを期待したい。


がんに負けないお金の話

Vol.1  がん患者の「医療費控除」で少しでも多く税金を取り戻すには

Vol.2  がん治療費の自己負担を軽減する「高額療養費制度」フル活用術

Vol.3  該当するなら活用したい 高額介護合算療養費、傷病手当金、ひとり親家庭等医療費助成、ウィッグ・胸部補正具助成

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