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2019/12/10

がんに負けないお金の話 Vol.3

該当するなら活用したい 高額介護合算療養費、傷病手当金、ひとり親家庭等医療費助成、ウィッグ・胸部補正具助成

福島安紀=医療ライター

 がんの治療中は医療費、通院交通費など出費がかさむ。高額療養費以外にも、高額介護合算療養費、傷病手当金、ひとり親家庭医療費助成など、条件に該当すれば、がん患者が使える公的な助成制度がある。また、ウィッグ・胸部補整具などの購入費を助成する自治体も増えてきた。少しでも金銭的な負担を減らすために活用したい公的制度を紹介する。


介護保険の利用者は高額介護合算療養費の対象にならないか要チェック

 高額介護合算療養費は、公的な医療保険と介護保険の両方を使っていて、1年間(8月1日~翌年7月31日まで)の合計額が自己負担限度額(下表)を超え、501円以上になったときに超過分が支給される制度だ。がんの患者が医療保険と介護保険の両方、あるいは、同じ公的医療保険に加入している家族が介護保険を使っていて合計額が限度額を超えたときにはこの制度が利用できる。

 基準になる1年間の自己負担限度額は、高額療養費制度(「Vol.1 がん治療費の自己負担を軽減する「高額療養費制度」フル活用術」)と同じように年齢と所得によって異なる。例えば、69歳以下で年収約370万~約770万円の人の高額介護合算療養費の自己負担限度額は67万円だ。45歳の患者の治療費自己負担額が月4万円年間48万円、扶養している70歳の母親の医療費が年間12万円、介護保険を利用した介護費の利用者負担が年間12万円かかったとしたら、医療費と介護費の合計額は72万円、自己負担限度額を差し引いて5万円が払い戻される。

 ただし、すでに高額療養費制度を使って医療費の自己負担額が軽減されている場合には、高額療養費として負担しないで済んだ分や払い戻された費用は合算の対象にならない。入院時の食事療養費や差額ベッド代、介護保険で利用している施設サービスの居住費や食費、日常生活費、住宅改修費、福祉用具の購入費も合算の対象外だ。

 また、69歳以下の人の医療費は、1医療機関あたりの自己負担額2万1000円以上が合算の条件となる。内服薬の抗がん剤などを院外処方で受けた場合は、その病院の診療費と薬局で支払った処方料や薬代は同じ医療機関の費用として扱われ、合計2万1000円を超えれば合算できる。

 高額介護合算療養費を申請する場所は、加入している健康保険の窓口だ。国立がん研究センター東病院サポーティブケアセンター/がん相談支援センター副センタ―長の坂本はと恵さんは、「ほとんどの健康保険、国保組合では、高額介護合算療養費は、自分で申請しないと支給されません。体調がよいときに申請し、少しでも経済的な負担を減らしてください」と話す。

給与所得者が無給になってしまったら傷病手当金活用を

 働く世代の患者が、長期間の治療で休職を余儀なくされたときには、無給や減給になってしまうこともある。会社員、公務員などの給与所得者が、がんの治療で仕事を休み、有給休暇や病気休暇を取り尽くして無給になったときや十分な収入が得られないときに活用したいのが「傷病手当金」だ。正社員ではなく、パートや契約社員でも、社会保険に加入していて条件に当てはまれば受給できる。

 傷病手当金が利用できるのは、①業務外の事由による病気やけがのための休業、②仕事に就くことができない、③連続して3日間、4日以上仕事を休んでいる、④給与の支払いがないか、傷病手当金の金額を下回っている――この4つの条件を満たしたときだ。

 受給できる1日あたりの金額は、支給開始日以前の継続した12カ月間の平均標準報酬月額を30で割った金額の3分の2。例えば、標準報酬月額が24万円だとしたら、1カ月にその3分の2の約16万円支給されることになる。

 手続きは、加入している健康保険組合で行う。所定の用紙に、主治医に記入してもらう欄もある。

 「気をつけたいのは、傷病手当金の受給期間が、1つの病気につき最長1年6カ月までと決まっていることです。途中で復職して給与が支払われ、その間傷病手当金はもらっていなくても、最初に支給された日から1年6カ月で支給は打ち切られます。治療の期間や病状によって、申請を出すタイミングも考えたほうがいい場合もありますので、主治医の先生に今後の治療期間や仕事の継続の可否などを確認しましょう」と坂本さんはアドバイスする。

 なお、傷病手当金を受給後に退職したとしても、加入から退職日までに1年以上継続して健康保険に加入していて、退職後以降も仕事ができない場合には、支給日から1年6カ月までは傷病手当金が受け取れる。

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