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レポート

2018/12/25

第59回日本肺癌学会より

小細胞肺がんに20年ぶりの治療薬候補

免疫療法や抗体-薬物複合体などに期待

森下紀代美=医学ライター

使用できる薬は殺細胞性抗がん薬のみ

 小細胞肺がんは治療の選択という観点から、限局型小細胞肺がん(LD)と進展型小細胞肺がん(ED)に分類される。LDの定義は「病変が同側胸郭内に加え、対側縦郭、対側鎖骨上窩リンパ節までに限られており、悪性胸水、心嚢水を有さないもの」、EDはLDの範囲を超えて進行したものとされる。

 LDの治療として、I期では手術と術後補助化学療法を行う。II期、III期では化学放射線療法が標準治療だが、III期で放射線治療が行えない場合は薬物療法が主体となる。より進行したIV期およびEDでは、延命とQOLの維持を治療の目標として薬物療法を行う。このように、小細胞肺がんの治療では全ての病期に薬物療法が必要になる。

 小細胞肺がん以外の肺がん(非小細胞肺がん)の薬物療法では、殺細胞性抗がん薬、EGFR阻害薬、ALK阻害薬、ROS1阻害薬、BRAF阻害薬、抗VEGF抗体、抗VEGFR抗体、免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-1抗体と抗PD-L1抗体)といった多様な薬剤が使用される。しかし、小細胞肺がんに使用できるのは殺細胞性抗がん薬しかなく、限られた種類の薬で治療が行われてきた。こうした状況を変えるため、さまざまな検討が行われてきたが、イリノテカンが使えるようになった2000年以降、臨床を変えるような新たな薬物療法は登場していない。

 現在、ガイドラインで示されている小細胞肺がんの1次治療は、LDでは化学放射線治療が中心で、放射線治療と併用する薬物療法はPE療法(シスプラチン+エトポシド)が推奨される。EDではPI療法(シスプラチン+イリノテカン)、PE療法が推奨され、カルボプラチン+エトポシド療法、シスプラチンを分割投与するsplit PE療法も選択肢となる。

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