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レポート

2018/10/30

第60回日本婦人科腫瘍学会学術講演会・ワークショップより

毒性の低い放射線療法・効果の高い化学療法の開発が進む子宮頸がんの治療

化学療法の改善は進むが2次治療が今後の課題

八倉巻尚子=医学ライター

 子宮頸がんは子宮の入り口にある子宮頸部にできるがんで、治療には手術療法、放射線療法、化学療法が行われている。さらに治療効果を高めるため、またQOL向上を目指して、低侵襲手術や縮小手術、術後補助療法や化学療法の開発、低侵襲照射など毒性を軽減した治療法の改良も数多く行われている。

 9月に京都市で開催された第60回日本婦人科腫瘍学会学術講演会ワークショップ「子宮頸がんの臨床試験」では、国立がん研究センター中央病院婦人腫瘍科の石川光也氏が、現在進められている臨床試験を紹介し、最近の治療開発の動向を解説した。


【手術療法】低侵襲手術・機能温存縮小手術に向けて

 手術療法の標準治療は子宮周囲を広く切除する広汎子宮全摘出術で、開腹による手術が行われてきたが、腹腔鏡を用いた低侵襲手術も試みられている。また排尿機能温存のため、広汎子宮全摘出術よりも切除範囲を縮小する準広汎子宮全摘出術を検証する臨床試験も進められている。

 低侵襲手術に関しては、早期子宮頸がんを対象に、腹腔鏡下あるいはロボット支援下の広汎子宮全摘出術を検証するLACC試験が「開腹手術とのランダム化試験として行なわれ、非常に貴重な試験である」と石川氏は説明した。しかし結果は、主要評価項目の無病生存期間(DFS)において開腹手術に対する非劣性を示すことができず、開腹手術のほうがDFS、全生存期間(OS)は有意に良好だった(SGO2018)。石川氏は「海外の手術のデータは日本とは状況が違うことが結構ある」が、日本で導入するときにも慎重にならないといけないだろうとした。

 日本においては、早期子宮頸がん(ステージIA2期、IB1期、IIA1期)を対象に、腹腔鏡下広汎子宮全摘出術が先進医療として平成26年12月に認可されている。全国の施設でこの手術が行われ始めていることから、現状を把握するための調査研究(JGOG1081S)や、予後に関する後方視的研究(JGOG1070S)が実施されている。

 機能温存縮小手術としては、切除範囲を縮小した準広汎子宮全摘出術の試験が行われている(JCOG1101試験)。2017年8月25日に登録が終了し、240例が登録され、現在は5年間の追跡期間中であるという。なお、IB1期を対象に縮小手術の可能性を評価した観察研究(JCOG0806A)で、腫瘍径2cm以下では広汎子宮全摘出術で良好な予後が得られ、子宮組織周辺への浸潤割合が低かった。そのため、この結果に基づき、JCOG1101試験では腫瘍径2cm以下を対象としている。

 このように手術療法では、低侵襲手術や機能温存縮小手術の開発が行なわれており、「有効性が損なわれないことを検証し、どのような対象に実施するかといった適応を検討する必要がある」と石川氏は述べた。

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