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レポート

2018/09/18

第16回日本臨床腫瘍学会学術集会・シンポジウムより(第1回・悪性リンパ腫)

悪性リンパ腫に新しい分子標的薬が登場、がん免疫療法の臨床試験も進む

治療開発は層別化がキーワード

八倉巻尚子=医学ライター

【ホジキンリンパ腫】
1次治療に抗体薬物複合体が有望、がん免疫療法も今後重要に


 ホジキンリンパ腫の発症率は欧米では10 万人あたり2.8人で、日本では非常に少ない。治癒可能な疾患で、標準治療はABVD療法(ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジン)±放射線治療である。

 ホジキンリンパ腫の治療として注目されているのは、抗体薬物複合体のブレンツキシマブ ベドチンである。T細胞表面にあるCD30という分子を標的とするモノクローナル抗体のブレンツキシマブと細胞障害性抗癌剤を結合させた薬剤だ。ブレンツキシマブ ベドチンは、自己造血幹細胞移植(ASCT)施行後の、再発または難治性のr/rホジキンリンパ腫患者を対象に行われた試験で高い効果を示した。「ASCT後の生存期間中央値はそれまでは26カ月だったが、ブレンツキシマブ ベドチン単剤で40カ月となった」。

 そこで1次治療として、ブレンツキシマブ ベドチン+化学療法とABVD療法を比較する第3相試験が行なわれた。この試験では、修正無増悪生存期間という新しい主要評価項目が用いられた。修正無増悪生存期間とは、病勢進行、死亡、1次治療の完了後に完全寛解が得られず追加の治療を受けるまでの期間のこと。その結果、修正無増悪生存期間はブレンツキシマブ ベドチン群で有意に延長し、「これにより標準療法は書き換えられた」と石澤氏は話した。

 またホジキンリンパ腫の遺伝子解析から、がん免疫療法薬である抗PD-1抗体の効果が期待され、実際に抗PD-1抗体のニボルマブやペムブロリズマブを用いた臨床試験が行われている。石澤氏は「今後はホジキンリンパ腫の治療においても抗PD-1抗体が重要な役割を示すだろう」とした。

 そして、ホジキンリンパ腫の治療の方向性として、「細胞障害性抗癌剤とブレンツキシマブ ベドチン、抗PD-1抗体の組み合わせが、精力的に検討されているところである」と話した。

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