アカラブルチニブ、ベネトクラックスなど新薬の治験も進行中
棟方氏によれば、新規BTK阻害剤としては、再発CLLに対するアカラブルチニブの治験が日本で進行中だ。イブルチニブは効果の高い薬だが、BTK以外の分子にも作用してしまうために多様な副作用が出るのではないかとされる。アカラブルチニブは、BTKを選択的に抑えるように設計された薬だ。
また、日本では、17p欠失のある再発CLLに対するベネトクラックスの有効性と安全性を確かめる治験も進行中だ。一方、PI3K阻害薬のイデラリシブについては、再発CLLの患者にリツキシマブと併用して投与すると、リツキシマブ単剤よりも有効性が高いとの結果が海外では出ている。しかし、その後のイデラリシブの臨床試験において副作用が強く出ることが報告されたため、日本も含めて開発が止まっている状態という。
CLLの類縁疾患であるヘアリー細胞白血病については、クラドリビンとリツキシマブの併用療法が有効とされる。BRAF V600E変異があるため、BRAF阻害薬の治験が進んでいることも紹介された。脾辺縁帯リンパ腫は、脾臓がかなり腫れることが多い病気で、治療法としては、リツキシマブを中心とした化学療法の他に、脾臓の摘出という選択肢がある。