Q9:Bravaは日本ではどこの病院でやっていますか?
A(佐武) 横浜市立大学附属市民総合医療センターの他に、自治医科大学の形成外科でも始めています。横浜市立大学附属市民総合医療センターでは穿通枝皮弁を用いた手術をしていますが、脂肪注入は手術時間が短く、麻酔方法をしっかり管理すれば日帰りが可能で、患者さんの負担が少ないですから、横浜市内の関内にあるクリニック(KO CLINIC)でもやっています。
Q10:両側の乳房を全摘しました。勧められるままに同時再建でインプラントを入れましたが、硬いし、疲れた時はとても苦しいです。柔らかい胸にできたらと思いますが、両側の場合、脂肪は足りるのでしょうか?
A(佐武) 両側の乳がんの患者さんは約3%いらっしゃいます。最近米国では、遺伝性の乳がん、卵巣がんのがん遺伝子がある場合は約7割の確率で乳がんになるとされ、予防的に切除する方もいます。
一般的に、両側の乳がんの場合はインプラントで再建するケースがほとんどです。自家組織では時間がかかること、同じような位置に同じような傷があって、同じような欠損がある場合、同じサイズのインプラントを入れれば、形が同じようにできるためです。けれども、脂肪注入を行うことはできます。身体の他の部位から両側の再建に十分な組織が採取できるかどうかが問題になりますが、大きな胸の場合は、小さめの穿通枝皮弁を移植し、そこに脂肪注入をして大きくすることも可能です。左右の腹部、左右の臀部、左右の大腿部から採取し、両側の胸を再建している患者さんはたくさんいます。手術時間は通常の1.5倍位と長くかかり、手術を受ける側もする側も大変ですが、左右を同時に再建することができます。