国立がん研究センターは3月14日、同センター中央病院院内患者会との意見交換会を実施した。同センターの幹部と院内患者会の参加者が集まって懇談するのは初めて。同センター理事長の嘉山孝正氏は、患者の意見を積極的に受け入れる姿勢を強調した。
また3月15日には、脳腫瘍患者を抱える家族のために院内スタッフが運営する「脳腫瘍家族テーブル」が1周年記念プログラムを開催した。
「13年前に手術をして、左の腎臓と膀胱を摘出しました。退院後はとにかく不安でしたが、院内患者会に参加していろいろ教えてもらい助かりました。退院する患者さんたちに患者会のことを知らせていただけたらありがたいと思います」(膀胱がんと前立腺がんの患者会・築地会の男性)。
「インターネットやメディアからの情報がたくさんある今こそ、以前やっていたように、がん研究センターへ来ている患者さん向けの専門的な勉強会を実施していただけたらと思います」(乳がんの患者会・八番会の女性)。
意見交換会には6つの患者会関係者が参加し、国立がん研究センター中央病院への率直な要望を次々と伝えた。これに対し、同センター理事長の嘉山氏は、「会によってはセンターと疎遠になっているところもあるようで、申し訳なかったと思います。例えば、手術はうまくいったけどその後の生活が大変だったなど、僕らが見えない患者さんの目線がある。そういうところはたくさん教えていただきたい」と話し、患者の意見を積極的に受け入れる姿勢を示した。
国立がん研究センターは3月14日、同センター中央病院院内患者会との意見交換会を実施した。
病院側からは、相談室長(中央病院緩和医療科・精神医療科)の加藤雅志氏、各科の代表の医師や看護部の代表、医療ソーシャルワーカーらも出席し、患者の声に耳を傾けた。