がんに対するイメージは、授業の前は70.6%の生徒が「怖い病気」であると回答したのに対し、授業後は36.2%に減少した。逆に、「予防できる病気」が25.0%から81.6%に、「生活習慣がひとつの原因である病気」が37.8%から81.1%に上昇した。
授業前の「がんについて家族で話をしたことはあるか」という質問には、話をしたことがあると答えた生徒は37.8%と低かったが、授業後には「がんについて家族と話してみようと思うか」という質問に、話をしてみようと思うと答えた生徒が85.9%だった。話をしてみようと思うという生徒に、どんなことを話そうと思うか聞いてみたところ、「がんの予防や予防法について」が80.5%で多く、続いて「がんの健康診断(がん検診)や早期発見についてと答えた生徒が72.3%だった。
また、授業前のアンケートで家族ががんの健康診断(がん検診)を定期的に受けているかどうかという質問に、70.1%の生徒が「分からない」と回答したのに対し、授業後は83.2%の生徒が「家族にがんの健康診断(がん検診)を受けるように勧めようと思う」と答えた。
「生きるの教室」の授業受講後のアンケートには、自由回答のコメント欄に、生徒たちから、さまざまなコメントも寄せられた。その報告の一部を紹介する。
「今からがんの予防を少しずつしていきたいと思う」
「この授業をやって、生きることを大切にして、大切な人と一緒にがんばりたいと思った」
「がんは予防すれば、なる確率も減ると知って、これから家族と、どうやってがんを予防すればいいか話したいなと思いました」
「がんは重い病気だし、あまり興味がなかったが、この授業で身近な病気と分かったので、がんにならないようにしたいと思った」
「がんにならないよう、父にタバコを吸わないよう注意する」
授業を通じて、生徒の多くが、がんについての理解を深め、今後、がんと向き合っていこうと感じたことが伺える。
中には「今回の授業、とてもためになりました。ぜひ他校でも生きるということ、がんという病気について話をして、もっと多くの人ががんにならずにすむようにして欲しいです」といったコメントもいくつかあった。
「生きるの教室」は年内にさらに全国の3校で行われる予定だ。中川氏は授業後に「本来、こうした教育はどこの学校でも行われるべきだと思うが、まだ少ないのが現実です。今回の活動がきっかけとなってくれれば」と述べた。