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2022/08/05

アジアと欧米の大腸癌の治験・臨床試験データの共有が可能に、約4万3000例のデータをシェア

横山勇生=編集委員

 国立がん研究センター東病院、米The ARCAD Foundation、米Mayo Clinicは8月3日、収集した治験・臨床試験データを共有し、大腸癌の約4万3000例のデータをシェアできる環境が構築できたと発表した。フランスARCAD財団とMayo Clinicが共同運営する進行再発大腸癌の臨床試験データベースであるARCADデータベース(50試験、4万2095例)と、東病院からの6試験、974例の治験・臨床試験データベース(ARCAD アジアデータベース)が共有され、合わせて約4万3000例のデータを研究に活用できることになった。データベースには今後もデータが追加されていく。

 アジアと欧米の大規模なデータベースを活用することで、単独の無作為化試験ではできない解析が可能になると期待されている。治験計画時の対象集団やエンドポイント設定の基礎データとしての活用、治験の解析計画の活用(ヒストリカル対照)、承認申請の際の規制当局からの照会事項への対応、高齢者や若年集団など希少・特定の対照に対する検討、人種間格差に関する解析などへの応用が期待されている。

 また、ARCAD アジアが主導している'No Placeo' Initiativeの促進にもつながると期待されている。現在、臨床試験において対照群としてプラセボが用いられる場合、プラセボ群になると治療機会の喪失などの倫理的な問題があるとされている。'No Placeo' Initiativehaは、ARCAD アジアに格納予定の臨床試験でプラセボ群に割り付けられた患者のデータ約400例+αとARCADデータベースが現在保有か格納予定のプラセボを投与された患者のデータ約1000例+αを統合してヒストリカルコントロールとし、プラセボ群の設定が不要となることを目指している。

 ただし、ARCAD データベースはアカデミアが学術研究目的に使用することはできるが、個人情報保護法から、患者同意がないデータベースを用いた企業による医薬品等の承認申請は、商業利用と解釈され利用できないと考えられている。承認申請のリファレンスとして利用するためには法律の整備が必要となる。現在「医療情報の利活用及びゲノム医療の推進に向けた提言」で、過去の治験の対照群の情報を別の製品の開発や承認申請に利活用できるようにすべきと盛り込まれるなど、法的な整備に向けた動きが出ているという。

 ARCAD アジアデータベースは大腸癌に次いで胃癌への拡大に着手しており、その他の癌種へも広げていく計画だ。また、7月から大腸癌における企業との個別研究スキームの検討開始、利活用についての企業ヒアリングの開始など、ARCADグローバルデータベースを利用した研究案の検討が行われている。

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