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2022/07/01

進行胃癌3次治療以降のニボルマブの効果とベースラインの可溶性PD-L1の量が関係する可能性【WCGIC 2022】

横山勇生=編集委員

 ベースラインにおける血漿中の可溶性(s)PD-L1の量が、進行胃癌に対するニボルマブの効果を予測するバイオマーカーである可能性が明らかとなった。さらに炎症と栄養状態による予後指標てあるGlasgow Prognostic Score(GPS)と組み合わせることで、より正確に予測できる可能性も示された。切除不能進行胃癌を対象としたニボルマブのバイオマーカー探索を含めた多施設観察研究であるDELIVER試験(JACCRO GC-08)の、バイオマーカー解析の結果明らかとなった。

 6月29日から7月2日にスペインバルセロナで開催されているESMO World Congress on Gastrointestinal Cancer 2022(WCGIC 2022)で、近畿大学の川上尚人氏が発表した。

 DELIVER試験は、日本おける実臨床での進行胃癌に対するニボルマブの有効性と安全性の評価を行うことと、治療の前後で宿主側因子(腸内細菌種・ゲノム情報、遺伝子多型、遺伝子発現、メタボローム)を測定し、ニボルマブの効果予測因子/毒性予測因子を探索することを目的に実施されている。登録された患者は501人で、ニボルマブの投与前の血漿検体が利用できた439人について解析が行われた。可溶性の因子を評価するために180人でカットオフ値の探索を行い、259人で得られたカットオフ値を用いて評価した。439人のうち3次治療以降でニボルマブを投与されていたのは98.2%だった。

 439人の無増悪生存期間(PFS)中央値は1.91カ月、生存期間(OS)中央値は6.80カ月、奏効率は9.6%、病勢コントロール率(DCR)は43.3%だった。

 可溶性のマーカーとして、sPD-1、sPD-L1、sCTLA-4が評価された。それぞれが高値の場合と低値の場合での臨床効果について調べられた。その結果、最も効果との関連が認められたのはsPD-L1だった。sPD-L1高値と低値の患者で、奏効率に有意な差はなかったが、DCR、PFS、OSについて有意な差が認められた。DCRは、sPD-L1低値患者で48%、高値患者で37%、p=0.020だった。PFS中央値は、sPD-L1低値患者で2.07カ月、高値患者で1.71カ月、ハザード比1.30、p=0.008だった。OS中央値は、sPD-L1低値患者で7.94カ月、高値患者で5.26カ月、ハザード比1.32、p<0.001だった。

 一方、GPSスコアと奏効率、DCR、PFS、OSに関連があることが示された。奏効率は、GPS 0が14%、1が7%、2が7%。DCRは、GPS 0が50%、1が42%、2が34%。PFS中央値は、GPS 0が2.14カ月、1が1.81カ月、2が1.71カ月。OS中央値は、GPS 0が11.43カ月、1が5.82カ月、2が3.53カ月だった。

 多変量解析の結果、OSと有意に関連する因子としてsPD-L1(295pg/mL以上と未満)がハザード比1.67、p<0.001、GPS 1と0がハザード比1.39、p=0.009、GPS 2と0がハザード比1.95、p<0.001でそれぞれ同定された。

 GPSスコアとsPD-L1を組み合わせると、最もOSが長かったのはGPS 0で、sPD-L1低値の患者で中央値は12.00カ月だった。

 GPS 0でsPD-L1高値の患者の中央値は8.48カ月で、GPS 0でsPD-L1低値の患者に対するハザード比が1.50(p=0.064)だった。GPS 1でsPD-L1低値の患者の中央値は7.49カ月で、GPS 0でsPD-L1低値の患者に対するハザード比が1.53(p=0.005)だった。GPS 1でsPD-L1高値患者の中央値は4.24カ月で、GPS 0でsPD-L1低値患者に対するハザード比が2.01(p<0.001)だった。GPS 2でsPD-L1低値の患者の中央値は4.57カ月で、GPS 0でsPD-L1低値の患者に対するハザード比が1.50(p=0.032)。GPS 2でsPD-L1高値患者の中央値は3.07カ月で、GPS 0でsPD-L1低値患者に対するハザード比が3.69(p<0.001)だった。

 GPS 0でsPD-L1高値患者とGPS 1でsPD-L1低値患者を合わせた患者のOS中央値は7.76カ月で、GPS 0でsPD-L1低値患者に対するハザード比が1.52(p=0.002)。GPS 1でsPD-L1高値患者とGPS 2でsPD-L1低値患者を合わせた患者のOS中央値は4.34カ月で、GPS 0でsPD-L1低値患者に対するハザード比が1.80(p<0.001)だった。

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