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2022/07/01

進行食道扁平上皮癌の1次治療で抗PD-1抗体tislelizumabと化学療法の併用は化学療法のみよりOSを延長【WCGIC 2022】

横山勇生=編集委員

 進行食道扁平上皮癌の1次治療として、抗PD-1抗体tislelizumabと化学療法の併用は、化学療法のみよりも有意に全生存期間(OS)を延長できることが明らかとなった。日本の施設も参加して実施されているフェーズ3試験であるRATIONALE-306試験の、中間解析の結果示された。6月29日から7月2日にスペインバルセロナで開催されているESMO World Congress on Gastrointestinal Cancer 2022(WCGIC 2022)で、米Mayo ClinicのH. Yoon氏が発表した。

 進行食道扁平上皮癌の1次治療として、抗PD-1抗体と化学療法の併用が有効なことはペムブロリズマブとニボルマブで既に報告されており、新たな抗PD-1抗体でも有効性が示された。

 RATIONALE-306試験は、世界規模で実施されている無作為化二重盲検フェーズ3試験。進行癌に対して全身療法を受けていない切除不能な局所進行または転移を有する食道扁平上皮癌患者が、PD-L1発現の状態に関わらず登録された。患者は医師選択化学療法(白金系抗癌薬[シスプラチンかオキサリプラチン]とフルオロピリミジン系抗癌薬[カペシタビンか5-FU]、白金系抗癌薬[シスプラチンかオキサリプラチン]とパクリタキセルのいずれか)に加えて、3週おきにtislelizumab 200mgを投与される群(tislelizumab群)とプラセボを投与される群(プラセボ群)に1対1で無作為に割り付けられた。投薬は増悪、受容不能な毒性の発現などが起こるまで続けられた。

 層別因子は地域(日本を除くアジア、日本、その他の国)、根治的治療歴の有無、医師選択化学療法だった(白金系抗癌薬/フルオロピリミジン系抗癌薬と白金系抗癌薬/パクリタキセル)。

 主要評価項目はITTにおける全生存期間(OS)。副次評価項目は、研究グループの評価による無増悪生存期間(PFS)、奏効率、奏効期間(DOR)、PD-L1発現が10%以上の患者におけるOS、健康関連QOL、安全性などだった。

 試験には16の国と地域から649人が登録された。日本を除くアジアが約65%、日本が約10%、その他が約25%だった。tislelizumab群に326人、プラセボ群に323人が割り付けられた。白金系抗癌薬/フルオロピリミジン系抗癌薬を投与されたのは約45%、白金系抗癌薬/パクリタキセルを投与されたのは約55%だった。PD-L1発現が10%以上の患者はtislelizumab群が123人(37.7%)、プラセボ群が113人(35.0%)だった。

 データカットオフは2022年2月28日。中間解析の結果、OS中央値は、tislelizumab群が17.2カ月(95%信頼区間:15.8-20.1)、プラセボ群が10.6カ月(95%信頼区間:9.3-12.1)で、ハザード比0.66(95%信頼区間:0.54-0.80)、p<0.0001でtislelizumab群で有意なOSの改善が認められた。6カ月OS率は、tislelizumab群が84.3%、プラセボ群が77.3%、12カ月OS率は、tislelizumab群が65.0%、プラセボ群が44.9%、18カ月OS率は、tislelizumab群が48.6%、プラセボ群が34.5%だった。

 事前に規定されたサブグループ解析では、医師選択化学療法の種類、地域、PD-L1の発現状態を含めて全てtislelizumab群が優位だった。

 PD-L1発現が10%以上の患者でも、tislelizumab群で有意なOSの改善が認められた。OS中央値は、tislelizumab群が16.6カ月、プラセボ群が10.0カ月で、ハザード比0.62(95%信頼区間:0.44-0.86)、p=0.0017だった。PD-L1発現が10%未満の患者で、OS中央値はtislelizumab群(165人)が16.7カ月、プラセボ群(176人)が10.4カ月で、ハザード比0.72(95%信頼区間:0.55-0.94)だった。

 PFSもtislelizumab群で有意な改善が認められた。PFS中央値は、tislelizumab群が7.3カ月(95%信頼区間:6.9-8.3)、プラセボ群が5.6カ月(95%信頼区間:4.9-6.0)で、ハザード比0.62(95%信頼区間:0.52-0.75)、p<0.0001だった。6カ月PFS率は、tislelizumab群が61.1%、プラセボ群が44.5%、12カ月PFS率は、tislelizumab群が30.0%、プラセボ群が15.7%だった。

 奏効率は、tislelizumab群が63.5%、プラセボ群が42.4%でオッズ比2.38(95%信頼区間:1.73-3.27)、p<0.0001で有意にtislelizumab群が高かった。DOR中央値はtislelizumab群が7.1カ月(95%信頼区間:6.1-8.1)、プラセボ群が5.7カ月(95%信頼区間:4.4-7.1)だった。奏効が持続していた患者の割合は、tislelizumab群が19.3%、プラセボ群が9.5%だった。

 全体として治療関連の副作用発現率は両群で同様だった。1件以上の治療関連副作用を発現したのは、tislelizumab群が96.6%、プラセボ群が96.3%、グレード3以上の治療関連副作用が発現したのはtislelizumab群が66.7%、プラセボ群が64.5%、治療関連の副作用で死亡したのは、tislelizumab群が1.9%、プラセボ群が1.2%だった。重篤な治療関連副作用発現率は、tislelizumab群が28.7%、プラセボ群が19.3%。治療中に発現した副作用で投薬中止となったのは、tislelizumab群が31.8%、プラセボ群が22.4%だった。

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