このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

News ニュース

ニュース一覧へ

新着一覧へ

ニュース

2022/06/04

腎細胞癌へのエベロリムス術後補助療法は無再発生存期間の改善傾向はあるが有意差はつかず【ASCO 2022】

八倉巻尚子=医学ライター

 腎細胞癌(RCC)の術後補助療法として、mTOR阻害薬エベロリムスは無再発生存期間(RFS)を改善する傾向はあるものの、有意な差はなかったことが、プラセボ対照比較第3相試験であるEVEREST(SWOG S0931, NCT01120249)で明らかになった。しかし超高リスクの患者では明らかな改善が示されていた。

 米国Oregon Health & Science UniversityのChristopher W. Ryan氏らが、6月3日から7日にシカゴとハイブリッド形式で行われている米国臨床腫瘍学会(ASCO 2022)で発表した。

 試験は、転移がなく完全切除したRCC患者を対象に、根治的腎摘出術または部分切除術後12週間以内に、エベロリムス10mgの経口投与を54週間続ける群とプラセボを投与する群に1対1でランダム化した。層別化因子は、再発リスクグループ(中高リスク、超高リスク)、組織型(淡明細胞癌、非淡明細胞癌)、PS(0、1)だった。主要評価項目は無再発生存期間(RFS)で、副次評価項目は全生存期間(OS)、毒性などであった。

 中高リスクはpT1b Grade 3-4 N0あるいはpT2 any Grade N0あるいはpT3a Grade1-2 N0、超高リスクはpT3a Grade 3-4 N0あるいはpT3b-c/T4 any Grade N0あるいはAny pT any Grade N+と定義された。

 2011年4月から2016年9月に1545人(エベロリムス群775人、プラセボ群770人)がランダム化され、適格基準を満たした患者は755人と744人であった(ITT集団)。年齢中央値は58.7歳と58.4歳、男性が69%と70%、中高リスクが2群とも45%、超高リスクが55%、淡明細胞癌が83%と84%で、非淡明細胞癌が17%と16%だった。

 実際に治療を受けた患者がエベロリムス群740人、プラセボ群723人で、術後補助療法を完了したのは343人(45%)と512人(69%)だった。2022年3月に最終解析がRFSイベント556人に発生した時点で実施された。観察期間中央値は76カ月であった。

 解析の結果、RFSはエベロリムス群で上回っていたが、ハザード比は0.85(95%信頼区間:0.72-1.00)、片側検定p=0.025で、事前に設定された片側有意水準0.022を満たさなかった。RFS中央値は到達せず、5年推定RFS率はエベロリムス群で67%、プラセボ群63%であった。

 超高リスク群では明らかなRFSの改善が認められ、ハザード比0.79(95%信頼区間:0.65-0.97)、片側検定p=0.011だった。一方、中高リスク群では改善は認められず、ハザード比0.99(95%信頼区間:0.73-1.35)、片側検定p=0.48だった。

 死亡は290人で、OSは2群で同等であった。ハザード比0.90(95%信頼区間:0.71-1.13)、片側検定p=0.178だった。

 エベロリムスの安全性プロファイルは既報と同様だったが、投与中止率は高かった。治療期間中央値がエベロリムス群では9.3カ月、プラセボ群は12.6カ月、減量が37%と7%に行われ、増悪または死亡以外の理由での治療中止が47%と17%だった。グレード3以上の有害事象は、エベロリムス群46%、プラセボ群11%に認めた。グレード3以上の口内炎が14%と0%、グレード3以上の高トリグリセリド血症が11%と2%だった。

 以上の結果から、腎摘出術後のRCC患者において、エベロリムスによる術後補助療法はRFSを改善したが、名目上の有意水準には達しなかったとした。しかしエベロリムスによる効果は超高リスク患者で特に顕著だったとしている。

この記事を友達に伝える印刷用ページ
  • 大腸がんを生きるガイド
  • がん文献情報ナビ
  • 「がん情報文献ナビ」は、がんと治療薬に関する最新の英語論文を、ビジュアル検索できるサービスです(株式会社ワールドフージョンが運営しています)。 ご意見・お問い合わせはこちら