進行食道癌の1次治療として、抗PD-1抗体ニボルマブと化学療法の併用、ニボルマブと抗CTLA-4抗体イピリムマブの併用療法が近く承認される見通しとなった。また、抗PD-L1抗体アテゾリズマブのPD-L1陽性非小細胞肺癌の術後補助療法としての適応も近く承認される見通しだ。5月12日に開催された薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会において承認が報告された。
新規のミトコンドリア標的薬であるダリナパルシン(SP-02)についても、再発または難治性の末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)への適応が審議され承認が了承された。さらに抗CD30抗体薬物複合体ブレンツキシマブ ベトチンについて、未治療のCD30陽性ホジキンリンパ腫を対象に小児用法追加も審議され了承された。
進行食道癌の1次治療として、ニボルマブと化学療法の併用、ニボルマブとイピリムマブの併用療法の有効性は、フェーズ3試験であるCheckMate-648試験の結果示されている。全身療法未治療の切除不能の進行または転移を有する食道扁平上皮癌に対して、ニボルマブと化学療法の併用療法、ニボルマブとイピリムマブの併用療法が、化学療法のみよりも有意に全生存期間を延長できることが報告されている。
アテゾリズマブのPD-L1陽性非小細胞肺癌の術後補助療法としての有効性は、フェーズ3試験であるIMpower010試験で示されている。試験の結果、アテゾリズマブはII期からIIIA期の患者において、支持療法に比べて再発または死亡のリスクをPD-L1陽性患者の34%、全患者の21%減少させることが報告されている。
ダリナパルシンは、再発または難治性のPTCLに対して良好な抗腫瘍活性を示すことが、日本、韓国、台湾、香港で行われたアジア国際共同多施設単群オープンラベル非盲検化フェーズ2試験で示されている。