このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

News ニュース

ニュース一覧へ

新着一覧へ

ニュース

2022/04/20

再発・転移性上咽頭癌の1次治療で抗PD-1抗体tislelizumabと化学療法の併用は化学療法のみより有効【ASCO Plenary】

横山勇生=編集委員

 再発または転移を有する上咽頭癌の1次治療において、抗PD-1抗体tislelizumabと化学療法(ゲムシタビン+シスプラチン)の併用療法は、化学療法のみよりも無増悪生存期間(PFS)を延長できることが改めて明らかとなった。中国とタイで行われたフェーズ3試験であるRATIONALE-309試験のPFSに関するアップデート解析の結果示された。また、無作為化から2度目の増悪か死亡までの期間(PFS2)と全生存期間もtislelizumabと化学療法の併用で良好な結果が得られた。

 日本時間の4月20日早朝に開催された ASCO Plenary Seriesで、中国Sun Yat-sen University Cancer CenterのLi Zhang氏が発表した。

 上咽頭癌の1次治療として、化学療法と免疫チェクポイント阻害薬を併用することが有効なことを示したフェーズ3試験として、既にJUPITER-02試験、Captain-1ST試験があり、一貫して併用療法の有効性が示されている。

 ただし、どの試験も中国を中心に実施されており、患者は非角化型がほとんどを占め、EBV陽性が多く、中国南部や東南アジアなどのendemicと呼ばれる地域の患者背景を示している。一方、日本を含めたnon-endemic地域は、角化型扁平上皮癌が多く、喫煙や飲酒などとの関連が示唆されている。このため、中国を中心に実施された試験の結果を日本人に演繹する場合は注意が必要と言われている。

 RATIONALE-309試験は、再発または転移を有する上咽頭癌患者263人を、tislelizumab+化学療法併用群(3週間を1サイクルとして1日目にtislelizumab 200mg、1日目と8日目にゲムシタビン1g/m2、1日目にシスプラチン80mg/m2投与を4から6サイクル行い、その後は3週おきにtislelizumabを投与)とプラセボ+化学療法群(tislelizumabに替えてプラセボを投与、化学療法は同じ)に1対1に割り付けて行われた。

 主要評価項目は独立審査委員会の評価によるPFS。副次評価項目は、奏効割合、奏効期間、研究グループの評価によるPFS、PFS2、OSなどだった。探索的にバイオマーカー解析も行われた。プラセボ群の患者は増悪後、tislelizumab単剤へのクロスオーバーが認められていた。

  RATIONALE-309試験の中間解析(観察期間中央値10.0カ月)で、tislelizumab+化学療法併用群において有意なPFSの延長が認められたことが既に報告されていた(ESMO-IO Virtual Congress, 2021. Oral presentation 121O)。

 今回発表されたのは、観察期間中央値15.5カ月のアップデート解析の結果。データカットオフは2021年9月30日だった。アップデート解析においても、tislelizumab+化学療法併用群においてPFSの延長が認められ、PFS中央値はtislelizumab+化学療法併用群が9.6カ月(95%信頼区間:7.6-11.7)、プラセボ+化学療法群が7.4カ月(95%信頼区間:5.7-7.6)で、層別化ハザード比0.50(95%信頼区間:0.37-0.68)だった。

 OS中央値は、tislelizumab+化学療法併用群がNR(95%信頼区間:23.7-NR)、プラセボ+化学療法群が23.0カ月で(95%信頼区間:19.8-NR)、ハザード比0.60(95%信頼区間:0.35-1.01)だった。12カ月頃までは2群のカプランマイヤー曲線に大きな差はなかったが、その後は開きつつあった。12カ月OS率は、tislelizumab+化学療法併用群が89.6%、プラセボ+化学療法群が86.4%だった。なお、クロスオーバーは49.2%で行われていた。

 PFS2中央値は、tislelizumab+化学療法併用群がNR(95%信頼区間:23.7-NR)、プラセボ+化学療法群が13.9カ月で(95%信頼区間:12.5-17.9)、ハザード比0.38(95%信頼区間:0.25-0.58)だった。カプランマイヤー曲線は6カ月頃から離れ始めていた。

 バイオマーカー解析は、PD-L1発現(評価可能240人)、遺伝子発現プロファイル(評価可能247人)で行われた。解析の結果、tislelizumab+化学療法併用群におけるPFSの改善効果は、PD-L1の発現が1%未満と1%以上、10%未満と10%以上のいずれにおいても認められた。遺伝子発現解析の結果、腫瘍環境で免疫細胞が最も多く発現するグループでPFSの改善効果が高かった。また、樹状細胞が高発現している患者で効果が高かった。

この記事を友達に伝える印刷用ページ
  • 大腸がんを生きるガイド
  • がん文献情報ナビ
  • 「がん情報文献ナビ」は、がんと治療薬に関する最新の英語論文を、ビジュアル検索できるサービスです(株式会社ワールドフージョンが運営しています)。 ご意見・お問い合わせはこちら