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2022/01/24

大腸癌に抗EGFR抗体+FOLFOX後の実臨床での治療期間は血管新生阻害薬3剤で変わらない【ASCO GI 2022】

八倉巻尚子=医学ライター

 切除不能進行・再発大腸癌(mCRC)患者において、抗EGFR抗体とFOLFOX後の2次治療として、3剤の血管新生阻害薬(ベバシズマブラムシルマブアフリベルセプト)はいずれも同程度の治療期間が得られることが、レトロスペクティブの観察研究で明らかになった。また治療期間には、原発巣占居部位と1次治療の期間、腎疾患、NSAIDsの使用が関連することも示された。

 大阪急性期・総合医療センター消化器外科の賀川義規氏らが、1月20日から22日に米サンフランシスコとハイブリッド形式で開催されたGastrointestinal Cancers Symposium(ASCO GI 2022)で発表した。

 RAS野生型で原発巣占居部位が左側のmCRCの1次治療は、化学療法と抗EGFR抗体の併用療法が標準的に行われる。この研究では、1次治療でFOLFOX+抗EGFR抗体を投与した後、2次治療として血管新生阻害薬とイリノテカンベースの化学療法を受けたmCRC患者において、治療シークエンス、2次治療からの期間(2次治療開始から最終治療ラインの終了までの期間)、2次治療からの期間に関連する因子が検討された。

 研究には病院の診療報酬請求の記録データ(MDVデータベース)が用いられた。2016年5月1日から2019年9月30日に、FOLFOX+抗EGFR抗体による1次治療を開始し、イリノテカンベースの化学療法と血管新生阻害薬による2次治療を受けたmCRC患者が登録された。

 FOLFOX+抗EGFR抗体の1次治療を受けた患者2453人のうち、イリノテカンベースの化学療法と血管新生阻害薬の2次治療を受けた患者は508人。臨床試験に参加した2人を除く506人を解析対象とした。1次治療開始時の平均年齢63.5歳、男性66.6%、原発巣占居部位が左側の患者が78.3%だった。また2次治療前の患者背景は、3剤で大きな違いはなかった。

 1次治療でFOLFOX+パニツムマブが投与された患者は427人、FOLFOX+セツキシマブは79人だった。2次治療でベバシズマブを使用した患者は345人(68.2%)で、FOLFIRI+ベバシズマブは300人、IRIS+ベバシズマブが23人、イリノテカン+ベバシズマブは11人、CAPIRI+ベバシズマブが11人。2次治療でラムシルマブを使用した患者(FOLFIRI+ラムシルマブ)が120人(23.7%)、アフリベルセプトを使用した患者(FOLFIRI+アフリベルセプト)が41人(8.1%)であった。

 2次治療開始からの治療期間は、中央値が11.1カ月(95%信頼区間:10.2-12.5)だった。ベバシズマブを使用した患者では10.8カ月(95%信頼区間:9.9-13.1)、ラムシルマブでは11.2カ月(95%信頼区間:10.0-14.2)、アフリベルセプトでは12.8カ月(95%信頼区間:6.9-不明)で、治療期間は類似していた。

 2次治療を中止した患者は367人(72.5%)で、そのうち3次治療に進んだ患者は243人(66.2%)だった。3次治療においてガイドラインに準拠した治療は36%(レゴラフェニブが12%、FTD/TPIが24%)で、血管新生阻害薬や抗EGFR抗体も用いられていた。

 2次治療からの治療期間の延長に関連した因子は、原発巣占居部位が左側(ハザード比0.71、95%信頼区間:0.53-0.96)、1次治療の期間が6カ月以上(ハザード比0.72、95%信頼区間:0.56-0.93)だった。反対に、治療期間の短縮に関連した因子は、腎疾患(ハザード比1.92、95%信頼区間:1.28-2.88)、2次治療開始前60日以内のNSAIDs投与(ハザード比1.63、95%信頼区間:1.25-2.13)であった。

 サブグループ別に2次治療からの治療期間中央値は、原発巣占居部位が左側の患者では11.8カ月だが、右側の患者では8.8カ月。1次治療の期間が6カ月以上の患者では12.9カ月、6カ月未満の患者では9.1カ月だった。2次治療前に腎疾患のあった患者では6.2カ月、腎疾患のなかった患者は11.3カ月であり、2次治療前にNSAIDsが投与された患者は8.5カ月、投与されなかった患者は13.6カ月だった。

 また2次治療中に蛋白尿検査を受けた患者では、2次治療からの治療期間中央値は12.5カ月、受けなかった患者は8.5カ月であった。一方、2次治療中に降圧薬を使用した患者では12.3カ月、使用しなかった患者は11.2カ月で大きな違いはなかった。

 以上の結果から、リアルワールドのデータでは、抗EGFR抗体後の2次治療において、ベバシズマブ、ラムシルマブ、アフリベルセプトの治療期間は類似しており、この結果はRAS野生型mCRC患者の治療選択に役立つだろうとしている。

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