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2022/01/23

手術後のctDNAの継続的な解析で手術可能大腸癌の術後補助化学療法が有効な患者を同定できる【ASCO GI 2022】

横山勇生=編集委員

 手術後の血中循環腫瘍DNActDNA)の継続的な解析で、手術可能大腸癌の術後補助化学療法が有効な患者を同定できることが明らかとなった。153施設が参加するリキッドバイオプシーによる癌個別化医療の実現を目指すプロジェクトCIRCULATE-Japanの一部である観察研究、GALAXY研究の解析で示された。

 1月20日から22日に米サンフランシスコとハイブリッド形式で開催されたGastrointestinal Cancers Symposium(ASCO GI 2022)で、佐野病院(神戸市)の小高雅人氏が発表した。

 GALAXY研究は、Signatera検査と呼ばれる手法を用いたリキッドバイオプシーで、根治的外科治療が可能な(ステージ4でも根治的切除が可能な場合を含む)大腸癌患者の検体を評価する研究。術後4週、12週、24週、さらにその後も定期的にリキッドバイオプシーで血液を採取し、約2年間ctDNAを調べることで再発のモニタリングを行う。主要評価項目は無病生存期間(DFS)。

 ctDNAが陽性となった患者に対して、FTD/TPIの効果を評価するALTAIR試験と、高リスクステージ2または低リスクステージ3の大腸癌患者で術後28日目にctDNAが陰性の患者を、術後補助療法として抗癌薬を投与する群と手術のみの観察群に分けて評価する試験であるVEGA試験に参加した患者を除いた患者で、DFSの評価が行われた。

 GALAXY研究には、2020年6月5日から2021年4月30日までに登録された1365人が登録された。今回の解析に用いられたのは1040人のデータ。

 1040人のうち、術後4週時点でctDNAが陰性だったのは852人、陽性だったのは188人だった。患者全体(pステージ1-4)において、ctDNAが4週時点で陰性の患者の6カ月DFS率は96.5%、12カ月DFS率は92.7%、陽性患者の6カ月DFS率は62.8%、12カ月DFS率は47.5%で、ハザード比10.9(95%信頼区間:7.8-15.4)、p<0.001で4週時点でctDNAが陽性だと有意に再発リスクが高かった。pステージ2-3の患者において、ctDNAが4週時点で陰性の患者の6カ月DFS率は97.8%、12カ月DFS率は95.2%、陽性患者の6カ月DFS率は73.0%、12カ月DFS率は55.5%で、ハザード比13.3(95%信頼区間:8.0-22.2)、p<0.001で4週時点でctDNAが陽性だと有意に再発リスクが高かった。

 1040人のうち838人についてctDNAの変動の解析が行われた。観察期間中央値は11.4カ月。4週時点、12週時点のどちらでもctDNAが陰性だった患者660人の6カ月DFS率は98.0%、4週時点でctDNA陰性、12週時点でctDNA陽性となった32人の6カ月DFS率は62.5%、4週時点でctDNA陽性、12週時点でctDNA陰性となった患者62人の6カ月DFS率は100%、4週時点、12週時点のどちらでもctDNAが陽性だった患者84人における6カ月DFS率は58.3%だった。

 ctDNAが陽性から陰性に変わった患者を対照とすると、ctDNAが陽性のままだった患者のDFSのハザード比は15.8(95%信頼区間:5.7-44.2)、p<0.001で有意な差があった。

 4週時点でctDNAが陽性で12週時点のctDNAの情報が得られた183人で、ctDNA消失に関する解析が行われた。183人のうち96人が標準的な術後補助化学療法を受けていた。術後補化学助療法を受けなかった患者にはpステージ1が1人、低リスクpステージ2が2人含まれていたが、3人中2人で再発が起きた。

 pステージ1-4の患者における6カ月蓄積ctDNA消失率は、術後補助化学療法を受けた患者が68%、受けなかった患者が10%で、ハザード比9.3(95%信頼区間:4.6-18.9)、p<0.001で有意な差があった。pステージ2-4のctDNA陽性患者における多変量解析で、再発に関する有意な因子として同定されたのは術後補助化学療法を受けなかったこととRAS遺伝子変異型だった。

 4週時点のctDNA陽性患者におけるDFSのpステージ別の解析が行われた。高リスクpステージ2、pステージ3、pステージ4のいずれの場合も、術後補助療法を受けないと有意にDFSのリスクが上昇していた。高リスクpステージ2は調整ハザード比9.4、p=0.04、pステージ3は調整ハザード比8.8、p<0.001、pステージ4は調整ハザード比2.4、p=0.02だった。

 4週時点でctDNAが陰性で、高リスクpステージ2とpステージ3の患者531人について解析が行われた。214人が術後補助化学療法を受けており、317人が受けていなかった。術後補助化学療法を受けた患者は、受けなかった患者に比べて有意にPS 0、pステージ3の患者が多かった。術後補助化学療法を受けた患者の6カ月DFS率は98.6%、12カ月DFS率は96.2%、受けなかった患者の6カ月DFS率は97.5%、12カ月DFS率は94.7%で調整ハザード比1.3(95%信頼区間:0.5-3.6)、p=0.63で術後補助化学療法の効果は認められなかった。

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