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2022/01/23

日本人切除不能肝細胞癌にTACEとレンバチニブの併用は有望、TACTICS-L試験の最終解析【ASCO GI 2022】

八倉巻尚子=医学ライター

 切除不能な肝細胞癌HCC)に、肝動脈化学塞栓療法(TACE)とレンバチニブの併用療法は有望な治療効果を示し、安全性も確認されたことが、フェーズ2試験であるTACTICS-L試験の最終解析で明らかになった。

 近畿大学消化器内科の上嶋一臣氏らが、1月20日から22日に米サンフランシスコとハイブリッド形式で開催されたGastrointestinal Cancers Symposium(ASCO GI 2022)で発表した。

 試験は、前向き多施設共同単群フェーズ2試験として、国内21施設で実施された。対象は、外科的切除、経皮的凝固療法が適応とならない切除不能HCCで、Child-Pughスコア6点以下、TACE治療歴0-2回、腫瘍径10cm以下、腫瘍数10個以下、ECOG PS 0/1の患者。脈管浸潤、肝外転移は除外基準に含まれていた。

 レンバチニブは、初回TACEの前に12mg(体重60kg以上)または8mg(体重60kg未満)を1日1回、14-21日間投与された。TACEの前後2日間は休薬し、レンバチニブはイベント発生まで継続された。

 主要評価項目は、肝癌治療効果判定基準(Response Evaluation Criteria in Cancer of the Liver:RECICL)に基づく無増悪生存期間(PFS)であった。副次評価項目は、mRECISTに基づくPFS、奏効率(ORR)、全生存期間(OS)、治療できない増悪までの期間(Time To Untreatable Progression:TTUP)、安全性だった。腫瘍評価は初回TACE後4週時点、それ以降は8週毎に行なった。

 試験は2019年2月から2021年4月に実施され、2021年4月から同年10月まで経過観察が行われた。62人が登録した。年齢中央値は72.0歳(範囲39-90歳)、ECOG PS 0は95.2%、PS 1が4.8%、非B非C肝疾患の患者が50%を占めた。Child-Pughスコア5点の患者は82.3%、6点は17.7%、up-to-seven(腫瘍径と腫瘍数の合計が7以下)基準内が64.5%、基準外が35.5%だった。BCLCステージAが38.7%、ステージB1は22.6%、ステージB2が33.9%だった。TACEの治療歴は0回が56.5%、1-2回が41.9%、3回が1.6%(1人)であった。

 この結果、初回TACE後4週時点でRECICLに基づくORRは、評価できた55人において79.0%(90%信頼区間:68.7-87.1)、完全奏効(CR)率は53.2%だった。最良奏効率は、評価できた58人において88.7%(90%信頼区間:79.8-94.6)、CR率は67.7%であった。

 奏効期間(DOR)が6カ月の患者は87.0%、DORが12カ月の患者は50.5%だった。初回TACE後4週時点でCRとなった患者での、CR期間の中央値は13.8カ月(90%信頼区間:10.1-16.5)であった。

 TACEの施行回数は0回が2人、1回が30人、2回が16人、3回が11人、4回以上が3人で、平均は1.8回、中央値は1.0回であった。またTACEとTACEの間隔は平均が7.6カ月、中央値が6.3カ月(1-20カ月)だった。

 RECICLに基づくPFS、およびmRECISTに基づくPFSの中央値は24.4カ月だった。RECICLに基づく12カ月PFS率は78.5%だった。追加の観察(観察期間中央値20.3カ月)でPFS中央値は28.3カ月、18カ月 PFS率は65.7%となった。OS中央値は25.9カ月、12カ月OS率は91.7%であった。

 新たな安全性の問題はなかった。治療中の有害事象(AE)で多く認められたのは、甲状腺機能低下症(60.0%)、高血圧(53.3%)、食欲低下(51.7%)だった。試験治療とは関連性のない死亡が1人だった。

 肝予備能は2年間にわたりALBIグレード1か2を維持していた。

 以上の結果から、TACEとレンバチニブの併用療法は、切除不能HCC患者において有望な治療効果と安全性を示したとした。2022年4月に追加の長期観察が行われるという。

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