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2022/01/22

切除不能肝細胞癌の1次治療でデュルバルマブの繰り返し投与とtremelimumabの単回投与が死亡リスクを22%低減【ASCO GI 2022】

横山勇生=編集委員

 切除不能肝細胞癌の1次治療として抗PD-L1抗体デュルバルマブの繰り返し投与と抗CTLA-4抗体tremelimumabの単回投与の併用が、ソラフェニブよりも死亡のリスクを22%低減できることが明らかとなった。フェーズ3試験であるHIMALAYA試験の結果示された。1月20日から22日に米サンフランシスコとハイブリッド形式で開催されているGastrointestinal Cancers Symposium(ASCO GI 2022)で、米Memorial Sloan Kettering Comprehensive Cancer CenterのGhassan Abou-Alfa氏が発表した。

 HIMALAYA試験で、デュルバルマブとtremelimumabの併用療法がソラフェニブよりも有意に全生存期間(OS)を延長できることは既に発表されていた(関連記事)。今回、試験結果の詳細が発表された。

 HIMALAYA試験は、世界規模で実施された無作為化オープンラベル多施設フェーズ3試験。全身治療を受けていない切除不能肝細胞癌患者を、STRIDEレジメン投与群 (デュルバルマブ1500mgの4週おき投与にtremelimumab 300mgを単回投与)、デュルバルマブ単剤投与群(デュルバルマブ1500mgを4週おき投与)、ソラフェニブ投与群(1日2回400mg投与)に無作為に割り付けて行われた。当初はtremelimumab 75mgを4週おきに4回、デュルバルマブ1500mgを4週おきに投与する群も設定されていたが、Study22の結果を受けて中止された。 門脈血栓症のない患者が対象とされていた。

 主要評価項目はSTRIDEレジメンのソラフェニブに対するOS。重要な副次評価項目は、デュルバルマブ単剤投与のソラフェニブに対するOSの非劣性(非劣性マージンは1.08)、その他の副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、奏効率、奏効期間、安全性などだった。

 試験は米国、カナダ、欧州、南米、アジアの16カ国190施設で実施された。日本の施設も参加している。

 STRIDEレジメン投与群に393人、デュルバルマブ単剤投与群に389人、ソラフェニブ投与群に389人が割り付けられた。データカットオフ時点(2021年8月27日)で、STRIDEレジメン投与群の31.8%、デュルバルマブ単剤投与群の26.7%、ソラフェニブ投与群の20.6%で投薬が続けられていた。3群の患者背景は概ね一致していた。日本を除いたアジアが4割、HCVに起因する肝癌が3割、ALBIグレード1が約半数、PD-L1陽性が4割だった。後治療を受けていたのは、STRIDEレジメン投与群が40.7%、デュルバルマブ単剤投与群が43.2%、ソラフェニブ投与群が45.0%だった。

 観察期間中央値は、STRIDEレジメン投与群が33.18カ月、デュルバルマブ単剤投与群が32.56カ月、ソラフェニブ投与群が32.23カ月だった。

 試験の結果、OS中央値はSTRIDEレジメン投与群が16.4カ月(95%信頼区間:14.2-19.6)、ソラフェニブ投与群が13.8カ月(95%信頼区間:12.3-16.1)だった。STRIDEレジメン投与群のソラフェニブ群に対するOSのハザード比が0.78(96.02%信頼区間:0.65-0.92)、p=0.0035で有意にSTRIDEレジメン投与群で改善していた。カプランマイヤー曲線は5カ月頃から離れ始めていた。9カ月までのハザード比は0.87、9カ月以降のハザード比は0.70だった。

 18カ月OS率は、STRIDEレジメン投与群が48.7%、ソラフェニブ投与群が41.5%、24カ月OS率は、STRIDEレジメン投与群が40.5%、ソラフェニブ投与群が32.6%、36カ月OS率は、STRIDEレジメン投与群が30.7%、ソラフェニブ投与群が20.2%だった。

 STRIDEレジメン投与群とソラフェニブ投与群のOSのサブグループは、女性と癌の原因がHCVのサブグループを除いてSTRIDEレジメン投与群が優位だった。

 デュルバルマブ単剤投与群のOS中央値は16.6カ月(95%信頼区間:14.1-19.1)、ソラフェニブ群に対するOSのハザード比は0.86(95.67%信頼区間:0.73-1.03)で、デュルバルマブ単剤投与のソラフェニブに対する非劣性が示された。デュルバルマブ単剤投与群とソラフェニブ群のカプランマイヤー曲線は、10カ月頃まで重なりその後離れていた。9カ月までのハザード比は0.98、9カ月以降のハザード比は0.77だった。デュルバルマブ単剤投与群の18カ月OS率は47.4%、24カ月OS率は39.6%、36カ月OS率は24.7%だった。

 PFS中央値は、STRIDEレジメン投与群が3.78カ月(95%信頼区間:3.68-5.32)、デュルバルマブ単剤投与群が3.65カ月(95%信頼区間:3.19-3.75)、ソラフェニブ投与群が4.07カ月(95%信頼区間:3.75-5.49)で差はなかった。奏効率は、STRIDEレジメン投与群が20.1%、デュルバルマブ単剤投与群が17.0%、ソラフェニブ群が5.1%だった。奏効期間中央値は、STRIDEレジメン投与群が22.34カ月、デュルバルマブ単剤投与群が16.82カ月、ソラフェニブ投与群が18.43カ月だった。

 安全性に関する新たな問題は認められなかった。グレード3/4の薬剤関連副作用が発現したのは、STRIDEレジメン投与群が25.8%、デュルバルマブ単剤投与群が12.9%、ソラフェニブ群が36.9%だった。薬剤関連の副作用で投薬中止となったのは、、STRIDEレジメン投与群が8.2%、デュルバルマブ単剤投与群が4.1%、ソラフェニブ群が11.0%だった。STRIDEレジメン投与群とデュルバルマブ単剤投与群で肝毒性、出血リスクの増加は認められなかった。

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