このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

News ニュース

ニュース一覧へ

新着一覧へ

ニュース

2021/11/29

EGFR変異陽性肺癌の1次治療でのオシメルチニブの効果はL858R変異患者と肝転移患者で低い可能性、実臨床での結果【日本肺癌学会2021】

横山勇生=編集委員

 EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌に対する1次治療としてのオシメルチニブ投与で、EGFR遺伝子変異のサブタイプと治療開始時に肝転移があることが、有効性が下がる因子である可能性が明らかとなった。また、EGFR遺伝子変異のサブタイプによって再発の形式に違いがある可能性も示された。実臨床のデータをレトロスペクティブに解析した結果示された。11月26日から28日まで横浜市とハイブリッド形式で開催された日本肺癌学会で、国立がん研究センター中央病院の竹安優貴氏が発表した。

 オシメルチニブは、EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌に対する1次治療の標準治療とされているが、効果予測因子や増悪形式に関する報告が少ない。そのため研究グループは、2015年4月1日から2020年12月31日までにEGFR変異陽性で1次治療としてオシメルチニブを投与された224人についてレトロスペクティブに解析を行った。解析のカットオフは2021年10月31日だった。

 224人の年齢中央値は67歳(28-87)。女性が151人(68%)、非喫煙者が152人(68%)だった。224人のうち、エクソン19欠失型は122人、L858R変異型は87人、その他の変異型が19人だった。サブタイプ別の患者背景には概ね差はなかったが、脳転移で有症状の患者、脳転移で大きさが20mmを超えていた患者、脳転移の治療を受けた患者はエクソン19欠失型で多かった。

 解析の結果、サブタイプ別の奏効率はエクソン19欠失型が81%、L858R変異型が58%、その他の変異型が60%と、L858R変異型よりもエクソン19欠失型で有意に高かった(p=0.0004)。

 頭蓋外病変の奏効率は、エクソン19欠失型が81%、L858R変異型が58%、その他の変異型が60%と、L858R変異型よりもエクソン19欠失型で有意に高かった(p=0.0004)。頭蓋外病変の病勢コントロール率(DCR)は、エクソン19欠失型が94%、L858R変異型が84%、その他の変異型が93%と、L858R変異型よりもエクソン19欠失型で有意に高かった(p=0.01)。

 頭蓋内病変の奏効率は、エクソン19欠失型が97%、L858R変異型が79%、その他の変異型が100%で、L858R変異型よりもエクソン19欠失型で有意に高かった(p=0.03)。頭蓋外病変の病勢コントロール率(DCR)は、全てのサブタイプで100%と差はなかった。

 PFS中央値は、全体で23.3カ月(95%信頼区間:19.6-26.7)。サブタイプ別は、エクソン19欠失型が24.0カ月(95%信頼区間:22.2-29.8)、L858R変異型が16.8カ月(95%信頼区間:12.8-26.9)、その他の変異型が9.4カ月(95%信頼区間:3.7-NR)だった。

 OS中央値は、全体で33.7カ月(95%信頼区間:31.3-58.6)。サブタイプ別は、エクソン19欠失型が46.4カ月(95%信頼区間:31.9-58.6)、L858R変異型が30.7カ月(95%信頼区間:26.6-33.7)、その他の変異型がNR(95%信頼区間:10.2-NR)だった。

 治療開始時の臓器転移とPFSは、肺転移、胸膜播種、脳転移においては有無でPFSに差はなかったが、肝転移、骨転移、副腎転移においては有意な差があった。肝転移があった患者(31人)のPFS中央値は10.3カ月、なかった患者(193人)では24.5カ月で、ハザード比2.49、p<0.0001だった。骨転移があった患者(16人)のPFS中央値は10.3カ月、なかった患者(208人)では23.4カ月で、ハザード比2.85、p=0.03だった。副腎転移があった患者(16人)のPFS中央値は10.3カ月、なかった患者(203人)では23.4カ月で、ハザード比2.85、p=0.01だった。

 PFSに影響する因子を多変量解析で調べたところ、EGFR変異のL858R変異型と肝転移があることが、有意な負の因子として同定された。

 オシメルチニブ投与で増悪が認められたのは105人(47%)で、病勢進行部位は頭蓋内病変が13人(12%)、頭蓋外病変が85人(81%)、頭蓋内病変と頭蓋外病変の両方が7人(7%)だった。サブタイプ別に解析すると、原発巣の増悪がエクソン19欠失型でL858R変異型よりも有意に多く(p=0.004)、胸腔外病変の肝転移、副腎転移、骨転移、胸腔外リンパ節以外のその他の変異(p=0.001)と頭蓋内病変(p=0.048)がL858R変異型でエクソン19欠失型よりも有意に多かった。

この記事を友達に伝える印刷用ページ
  • 大腸がんを生きるガイド
  • がん文献情報ナビ
  • 「がん情報文献ナビ」は、がんと治療薬に関する最新の英語論文を、ビジュアル検索できるサービスです(株式会社ワールドフージョンが運営しています)。 ご意見・お問い合わせはこちら