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2021/11/22

進行肝細胞癌の1次治療でカボザンチニブとアテゾリズマブの併用はソラフェニブよりもPFSを延長【ESMO Plenary】

横山勇生=編集委員

 進行肝細胞癌の1次治療として、マルチキナーゼ阻害薬カボザンチニブと抗PD-L1抗体アテゾリズマブの併用療法は、ソラフェニブよりも有意に無増悪生存期間(PFS)を延長できることが明らかとなった。フェーズ3試験であるCOSMIC-312試験のPFSに関する最終解析で示された。しかし全生存期間(OS)の中間解析において差はなかった。11月19日のESMO Virtual Plenaryで、米University of California San FranciscoのRobin Kate Kelley氏が発表した。

 COSMIC-312試験は、北米、南米、欧州、アジア、オセアニア地域で行われているフェーズ3試験。日本の施設は参加していない。BCLC BまたはCで治癒切除、局所治療不能なChild Pugh Aの測定病変を有する患者を、アテゾリズマブ(1200mgを3週おきに投与)とカボザンチニブ(1日1回40mg投与)を併用投与する群(併用群)、ソラフェニブ(1日2回400mgを投与)を投与する群(ソラフェニブ群)、カボザンチニブ単剤(1日1回60mg)を投与する群(カボザンチニブ単剤群)に2対1対1で割り付けて行われている。層別因子は病因(HBV、HCV、非ウイルス性)、地域(アジアとその他)、肝外病変・脈管浸潤の有無だった。

 主要評価項目は、併用群かソラフェニブ群に最初に割り付けられた372人(PITT)におけるRECISTv1.1に基づく盲検下中央審査委員会の評価によるPFSと、全患者(ITT)におけるOS。副次評価項目は、カボザンチニブ単剤群とソラフェニブ群のITTにおけるPFS。PITTにおいて257イベントが起きた場合に、主要評価項目であるPFSの最終解析とOSの中間解析、副次評価項目のPFSの中間解析が行われることになっており、その結果が発表された。

 試験には併用群がITTで432人、PITTで250人、ソラフェニブ群がITTで217人、PITTで122人、カボザンチニブ群がITTで188人、PITTでN/Aが割り付けられた。患者背景に差はなかった。データカットオフは2021年3月8日で、観察期間中央値は、PITTで15.8カ月(12.8-27.0)、ITTで13.3カ月(6.4-27.0)だった。

 試験の結果、PITTにおけるPFS中央値は併用群が6.8カ月(99%信頼区間:5.6-8.3)、ソラフェニブ群が4.2カ月(99%信頼区間:2.8-7.0)で、ハザード比0.63(99%信頼区間:0.44-0.91)、p=0.0012と有意に併用群で改善していた。カプランマイヤー曲線は早期から離れていたが13カ月頃から近づいていた。

 ITTにおけるOSの中間解析で、中央値は併用群が15.4カ月(96%信頼区間:13.7-17.7)、ソラフェニブ群が15.5カ月(96%信頼区間:12.1-NE)で、ハザード比0.90(96%信頼区間:0.69-1.18)、p=0.438で有意な差はなかった。3カ月目頃から12カ月頃までわずかに併用群のカプランマイヤー曲線が上にあったがその先は重なっていた。

 サブグループ解析で、HBVが原因の患者でPFS、OSともに併用群が有意に良かった。

 ITTにおけるカボザンチニブ単剤群のPFS中央値は5.8カ月(99%信頼区間:5.4-8.2)、ソラフェニブ群が4.3カ月(99%信頼区間:2.9-6.1)で、ハザード比0.71(99%信頼区間:0.51-1.01)、p=0.0107で事前に規定された数値を下回れず有意な差はなかった。

 ITTにおける奏効率は、併用群が11%、ソラフェニブ群が3.7%、カボザンチニブ単剤群が6.4%。奏効期間中央値は、併用群が10.6カ月、ソラフェニブ群が8.8カ月、カボザンチニブ単剤群が15.1カ月だった。治療関連の副作用は、併用群でグレード3が51%、グレード4が2.8%、グレード5が1.9%、ソラフェニブ群でグレード3が30%、グレード4が1.9%、グレード5が0.5%、カボザンチニブ単剤群でグレード3が52%、グレード4が3.2%、グレード5が0.5%だった。

 ディスカッサントの英The Royal Marsden HospitalのIan Chau氏は、アテゾリズマブとカボザンチニブの併用と標準的な1次治療であるアテゾリズマブとベバシズマブの併用を比較した。両方ともにPFSを延長しているものの、アテゾリズマブとベバシズマブの併用はOSも改善し、奏効率が高く、毒性も低いことを指摘した。

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