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2021/11/17

BRAFV600変異陽性進行悪性黒色腫にはBRAF阻害薬+MEK阻害薬先行よりニボルマブ+イピリムマブ先行が良好【ASCO Plenary】

横山勇生=編集委員

 BRAFV600変異を有する進行悪性黒色腫に対する一次治療として、先に抗PD-1抗体ニボルマブ+抗CTLA-4抗体イピリムマブを投与し増悪時にBRAF阻害薬ダブラフェニブ+MEK阻害薬トラメチニブを投与する方が、先にダブラフェニブ+トラメチニブを投与し増悪時にニボルマブ+イピリムマブを投与するよりも2年全生存(OS)率が20%高いことが明らかとなった。無作為化フェーズ3試験であるECOG-ACRIN EA6134試験(DREAMseq試験)の結果示された。一方、ニボルマブ+イピリムマブを先行した場合に早期の死亡が多いことも示された。

 11月16日に開催されたASCO Plenary Series November Sessionで、米Georgetown Lombardi Comprehensive Cancer CenterのMichael B.Atkins氏が発表した。

 DREAMseq試験は、未治療のBRAFV600変異陽性進行悪性黒色腫患者を、無作為にニボルマブ+イピリムマブ投与群(A群)とダブラフェニブ+トラメチニブ投与群(B群)に1対1で割り付けてステップ1として実施された。増悪後、ステップ2としてニボルマブ+イピリムマブ投与群の患者にはダブラフェニブ+トラメチニブが投与され(C群)、ダブラフェニブ+トラメチニブ投与群の患者にはニボルマブ+イピリムマブが投与された(D群)。層別因子はECOG PS(0と1)とLDHレベルだった。

 A群とD群には、ニボルマブ1mg/kgとイピリムマブ3mg/kgが3週おきに4回投与され、その後は2週おきにニボルマブ240mgが最長で72週まで投与された。B群とC群にはダブラフェニブ150mgが1日2回、トラメチニブ2mgが1日1回投与された。2019年には、免疫チェックポイント阻害薬の併用部分の新用量として、ニボルマブ3mg/kgとイピリムマブ1mg/kgの3週おき4回投与も認められることになった。4回目の中間解析で試験の中止とデータの公開が推奨された。

 試験の主要評価項目は2年OS率。副次評価項目は、BRAF変異患者におけるニボルマブ+イピリムマブ投与の奏効率、無増悪生存期間(PFS)と安全性、先行治療後の治療の活性、クロスオーバーの実現性などだった。

 2015年7月13日から患者登録が始まり、4回目の中間解析時点で265人(A群133人、B群132人)が登録された。A群とB群の患者背景に差はなかった。年齢中央値はA群とB群ともに61歳、A群の61%、B群の65%が男性だった。PS 0がA群は68%、B群は67%、両群ともにLDH正常が60%を占めていた。術後補助療法を受けていたのはA群が12%、B群が17%だった。

 データカットオフは2021年7月16日で、観察期間中央値は27.7カ月。27人がC群に、46人がD群に移行していた。全体で100件の死亡が起きていた(A群からC群が38人、B群からD群が62人)。試験の結果、2年OS率はA群からC群が72%(95%信頼区間:62-79)、B群からD群が52%(95%信頼区間:42-60)で、log rank p=0.0095で有意にA群からC群の方が高かった。またカプランマイヤー曲線は10カ月頃に交差しており、最初はB群からD群の方が上にあった。30カ月以降、両曲線ともカプランマイヤー曲線は平行になっていた。年齢、性別、病期、LDH値のいずれのサブグループでもA群からC群の方が2年OS率は高かった。

 A群で10カ月未満で死亡した24人のOS中央値は3カ月で、PS 1が42%、LDH高値が58%、M1c期患者が71%だった、治療期間中央値は6週未満で、治療中止理由は増悪が39%、副作用が30%、死亡が4%。クロスオーバーできた患者はいなかった。

 ステップ1で増悪した115人(A群44人、B群71人)のうち60人(52%)がステップ2に移行した。A群から移行できたのは21人(48%)、B群から移行できたのは32人(55%)だった。ステップ2に移行できなかった主な理由は6カ月以内の増悪からの死亡で、A群の23人中15人、B群の32人中25人が相当した。なお、試験は2021年9月30日で終了となった。

 ステップ1の無増悪生存期間(PFS)中央値はA群が11.8カ月、B群が8.5カ月でA群で良好な傾向があった(log rank p=0.054)。2年PFS率はA群が42%、B群が19%だった。PFSのカプランマイヤー曲線も6カ月目頃で交差していた。

 奏効率はA群が46%、B群が43%、C群が48%、D群が30%だった。A群で奏効が認められた42人中37人、B群で奏効が認められた37人中18人で奏効が持続していた。奏効期間中央値は、A群が未到達(95%信頼区間:29.3-NR)、B群が12.7カ月(95%信頼区間:8.2-NR)で有意にA群で長かった(p<0.001)

 グレード3以上の有害事象が認められたのはA群が60%、B群が52%で、C群が54%、D群が50%。治療関連のグレード5はA群で2人、C群で1人起きた。

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