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2021/10/17

高再発リスクのHR陽性早期乳癌の術後補助療法でアベマシクリブと内分泌療法併用の効果が長期観察で確認

横山勇生=編集委員

 臨床的な特徴から再発リスクが高いホルモン受容体(HR)陽性HER2陰性でリンパ節転移陽性の早期乳癌術後補助療法として、CDK4/6阻害薬アベマシクリブと標準的な内分泌療法の併用が、内分泌療法のみよりも浸潤癌のない生存期間(iDFS)と遠隔無再発生存期間(DRFS)を延長できることが長期観察の結果でも示された。また、iDFSとDRFSの効果はアベマシクリブの投与期間である2年を超えて認められていた。フェーズ3試験であるmonarchE試験の、観察期間中央値27カ月のアップデート解析の結果示された。

 10月14日から15日に開催されたESMO Virtual Plenaryで、Baylor University Medical CenterのJoyce A. O'Shaughnessy氏が発表した。

 monarchE試験は、高リスクリンパ節転移陽性HR陽性HER2陰性早期乳癌患者5637人を登録して行われた多施設無作為化オープンラベルフェーズ3試験。腋窩リンパ節陽性が4個以上、または陽性が1から3個で高リスクの特徴(腫瘍の大きさが5cm以上、組織学的グレード分類3)を1つでも有する臨床病理学的リスクが高いコホート1と、組織学的グレード分類3ではなく腫瘍の大きさが5cm以上でないが腋窩リンパ節陽性が1-3個で中央判定ki-67値が20%以上の高リスクと判定されたコホート2から構成されていた。両コホートを合わせてITTとした。

 患者は術後補助療法として標準的な内分泌療法に加えて、アベマシクリブを1日2回150mg投与する群(アベマシクリブ群)と内分泌療法のみの群(内分泌療法のみ群)に1対1で割り付けられた。

 観察期間中央値約19カ月の主要解析で、アベマシクリブ群においてiDFS、DRFSが有意に延長することが既に報告されていた(関連記事)。

 今回発表されたのは、2021年4月1日をデータカットオフとする観察期間中央値27.1カ月の結果。89.6%が試験治療から離脱し、2年間の投与が完了したのは72.2%だった。

 iDFSのハザード比は0.696(95%信頼区間:0.588-0.823)、p<0.0001だった。カプランマイヤー曲線は2年から3年の間でさらに開いていた。2年iDFS率はアベマシクリブ群が92.7%、内分泌療法のみ群が90.0%、3年iDFS率はアベマシクリブ群が88.8%、内分泌療法のみ群が83.4%で3年時点の差は5.4%だった。サブグループ解析は概してアベマシクリブ群が優位だった。

 DRFSのハザード比は0.687(95%信頼区間:0.571-0.826)だった。iDFSと同様にカプランマイヤー曲線は2年から3年の間でさらに開いていた。2年DRFS率はアベマシクリブ群が94.1%、内分泌療法のみ群が91.6%だった。3年DRFS率はアベマシクリブ群が90.3%、内分泌療法のみ群が86.1%で3年時点の差は4.2%だった。

 iDFSとDRFSのハザード比について、それぞれの年ごとの探索的な区分的解析を行った。その結果、1年目から2年目までは効果の程度は増加し、治療期間終了後も治療の効果が持続していることが示された。

 iDFSの1年目(0から1年まで)のハザード比は0.795(95%信頼区間:0.589-1.033)、2年目(1年から2年)のハザード比が0.681(95%信頼区間:0.523-0.869)、2年以降のハザード比が0.596(95%信頼区間:0.397-0.855)だった。DRFSも1年目(0から1年まで)のハザード比は0.732(95%信頼区間:0.520-0.987)、2年目(1年から2年)のハザード比が0.675(95%信頼区間:0.507-0.875)、2年以降のハザード比が0.692(95%信頼区間:0.448-1.032)だった。

 Ki-67スコアが20%以上であることは臨床的、病理学的に高リスクの患者の再発リスクを高める因子だった。しかし、アベマシクリブのiDFS改善効果は、臨床的、病理学的に高リスクの患者において、Ki-67スコアが20%以上、20%未満の患者のどちらでも認められた。

 ITTにおけるKi-67スコアが20%以上の患者でiDFSのハザード比は0.663(95%信頼区間:0.524-0.839)、3年iDFS率はアベマシクリブ群が86.8%、内分泌療法のみ群が80.8%だった。

 コホート1におけるKi-67スコアが20%以上の患者で、iDFSのハザード比は0.626(95%信頼区間:0.488-0.803)、3年iDFS率はアベマシクリブ群が86.1%、内分泌療法のみ群が79.0%だった。コホート1におけるKi-67スコアが20%未満の患者で、iDFSのハザード比は0.704(95%信頼区間:0.506-0.979)、3年iDFS率はアベマシクリブ群が91.7%、内分泌療法のみ群が87.2%だった。

 OSはイマチュアの状態だった。

 アベマシクリブの投薬は89.6%で終了していたが、安全性に関する新たな問題は認められなかった。

 なお、10月12日に米食品医薬品局がアベマシクリブの術後補助療法としての承認を行っているが、その対象はコホート1のKi-67スコアが20%以上の患者になる。

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