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2021/10/09

ROS1/TRK阻害薬repotrectinibがNTRK融合遺伝子陽性進行固形癌に有効な可能性【AACR-NCI-EORTC 2021】

横山勇生=編集委員

 ROS1/TRK阻害薬repotrectinibが、NTRK融合遺伝子陽性進行固形癌に有効である可能性が明らかとなった。repotrectinibの有効性と安全性を評価するフェーズ1/2試験であるTRIDENT-1試験において、TRK阻害薬既治療と未治療のどちらの患者においても良好な抗腫瘍効果が認められた。10月7日から10日にWEB上で開催されているthe AACR-NCI-EORTC Virtual International Conference on Molecular Targets and Cancer Therapeutics(AACR-NCI-EORTC 2021)で、フランスGustave Roussy Cancer CenterのBenjamin Besse氏が発表した。

 フェーズ1部分の結果、 repotrectinibのフェーズ2の推奨用量として、1日1回160mgを14日間投与し、忍容性が認められた場合、その後は1日2回160mgを投与することが決定されていた。

 TRIDENT-1試験のフェーズ2部分は、大きく分けてROS1融合遺伝子陽性進行NSCLCを対象にした部分とNTRK融合遺伝子陽性進行固形癌を対象とした部分から構成されている。ROS1融合遺伝子陽性進行NSCLCを対象にした結果は世界肺癌学会(WCLC 2020)で発表されている。今回発表されたのは、NTRK融合遺伝子陽性進行固形癌でTRK阻害薬未治療の患者のパート(EXP-5)とTRK阻害薬既治療の患者のパート(EXP-6)の最新結果。

 データカットオフは2021年8月26日で、EXP-5において20人が投薬を受け、そのうち15人で有効性の評価が可能だった。EXP-6において24人が投薬を受け、そのうち22人で投薬が可能だった。

 評価可能だった患者の背景は、EXP-5が年齢中央値は60.0歳(33-80)で脳転移ありが3人(20%)、NTRK抵抗性変異は全員が有していなかった。全身治療歴数中央値は1(0-4)だった。EXP-6が年齢中央値は54.5歳(23-81)で脳転移ありが4人(18.2%)、NTRK抵抗性変異はSolvent Front変異(薬剤結合部位の入り口の耐性変異)が13人(59.1%)で、9人は抵抗性変異を認めなかった。TRK-TKIを1種類投与されていたのが19人(86.4%)、2種類投与されていたのが3人(13.6%)。エヌトレクチニブを投与されていたのは11人、ラロトレクチニブを投与されていたのは11人だった。

 EXP-5の15人中53.3%が非小細胞肺癌、13.3%が乳癌、EXP-6の22人中22.7%が唾液腺癌、18.2%が非小細胞肺癌、18.2%が肉腫だった。

 試験の結果、EXP-5の患者における確定奏効率は40%(95%信頼区間:16-88)、6人の奏効期間は1.9+-7.4+だった。フェーズ1で投与された患者も含めた17人の確定奏効率は41%(95%信頼区間:18-67)、7人の奏効期間は1.9+-7.4+だった。多くの患者で腫瘍縮小が認められ、奏効は様々な癌種で確認、17人中12人で投与が継続されていた。確定奏効が得られた7人は全員投与が継続されていた。30カ月以上投薬されている患者もいた。

 EXP-6の患者における確定奏効率は45%(95%信頼区間:24-68)、10人の奏効期間は1.9+-15.1だった。フェーズ1で投与された患者も含めた23人の確定奏効率は43%(95%信頼区間:23-66)、多くの患者で腫瘍縮小が認められ、奏効は様々な癌種で確認、23人中9人で投与が継続されていた。確定奏効が得られた10人中6人で投与が継続されていた

 EXP-6で抵抗性変異を有していた13人における確定奏効率は54%(95%信頼区間:25-81)で、神経内分泌腫瘍患者1人で完全奏効が得られた。7人の奏効期間は1.9+-13.7だった。

 フェーズ1とフェーズ2でrepotrectinibを投与された全患者(201人)において、概して忍容性が認められた。多くの治療関連副作用はグレード1か2だった。投薬中に最も多く認められたのはめまいで60.1%に認められたがそのうちの76%はグレード1だった。11人(4%)でめまいを伴わない運動失調が認められた。めまいや運動失調で投薬中止となった患者はいなかった。投薬中の副作用で減量されたのは27%、投薬中止となったのは11%だった。

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